コロナウイルス感染症拡大を防止するため、緊急事態宣言が、
出口を示さぬまま延長され、モヤモヤした気持ちをお持ちの方は
多いのではないでしょうか。大阪府の吉村知事は、リーダーシップ
が評価されていますが、一昨日6日に、対策本部会議を開いて、
特措法に基づく外出自粛要請や休業要請を段階的に解除する
ための独自基準「大阪モデル」を決めました。出口戦略を具体的
に示したのは、全国で初めてです。大阪府が示した指標と解除
基準は、①新規の感染経路不明者数=10人未満 ②PCR検査
陽性率=7%未満 ③重症者向け病床使用率=60%未満 の
3項目です。①~③の基準を7日間連続で下回れば、段階的に
自粛要請を解除していく、としました。状況が悪化し再度の自粛
要請に転じる場合の指標も、合わせて公表しました。具体的な
数値を示したことで、わかりやすく、自粛をしている人にとって目標
にもなります。全国で初めて公表するという、リスクもとった勇気を
評価したいと思います。こうした数値を示せるのは、コロナ対策で
様々なデータが、きちんと知事に上がってくる仕組みを、知事就任
以来作ってきたから、という基盤があるようです。これに対して、
政府で新型コロナウイルス対策を担う西村経済再生相が、府の
解釈は勘違いだとたしなめたことが、ニュースになっています。
吉村知事が、政府に「具体的な基準を示さず、単に(宣言を)延長
するのは無責任だ」と指摘したことがきっかけ、とのこと。吉村氏
が、大阪の基準を「出口戦略」と表現したことに、西村氏は
「言い方が違う」と反発しました。「休業の要請・解除は知事の
裁量」と西村氏はツイッターで発信し、「自身の休業要請の解除の
基準を国が示してくれというのは矛盾。仕組みを勘違いしている
のでは」と投稿しました。これに対して、吉村氏は、「ご迷惑を
おかけしました」とツイッターで投稿し、「休業要請の解除基準を
国に示してほしいという思いも意図もありません」「宣言(基本的
対処方針を含む)がすべての土台なので、延長するなら出口戦略
も示して頂きたかった」と注文もつけた、と報じられています。
西村氏は、昨日7日の記者会見で、吉村氏と和解したとアピール
しましたが、大人げないというか、評価されている吉村知事に
やきもちを焼いたのでは、とも言われています。国としても、感染
者数、陽性率などがどこまで下がれば解除できるのかなどの
指標を、自治体が地域ごとに判断するために、目安として発信
すべきだと思います。