今日は、憲法記念日ですが、新型コロナウイルスの影響で、
多くの集会などは中止されています。安倍首相をはじめ、与党
自民党の議員からは、緊急事態宣言が発令中のこの時期に、
私権制限の強化や国会議員の多数が感染した場合の対応と
絡めて、緊急事態条項を新設すべきだという発言が相次いで
います。与党側は、憲法審査会を開き議論したい考えですが、
野党側は、経済対策などの議論を優先すべきで、この危機に
便乗した議論をするために審査会を開く環境ではないとして、
開催の見通しはたっていない、ということです。自民党内には、
「緊急事態条項によって強制力を伴う権限を政府に与えるべき
だ」という声もあります。しかし、連立を組む公明党は「憲法に国民
の権利を制約する根拠を設けるのは反対」としていて、立憲も
「政府が国会を無視して新しい法律みないなものを作れるなど
とんでもない」と批判しています。朝日新聞の全国世論調査
でも、国会での憲法改正の議論を急ぐ必要があるかを尋ねた
ところ、「急ぐ必要はない」が72%、「急ぐ必要がある」は22%
だった、ということです。自民支持層でも64%が「急ぐ必要は
ない」としていて、無党派層では75%となっています。今は、
新型コロナウイルスへの対応に全力を尽くしてもらいたいと思い
ます。ただでさえ、対応が遅すぎたり、ピントがずれていたりして
いるのですから。憲法の議論は、もっと落ち着いた環境で行われ
るべきだと考えます。