新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限によって、女性への

 

DVや子どもへの児童虐待が増加している、という悲しい現実が

 

あります。イギリスで25%、フランスで30%増加など、欧州や

 

アジアで3割増加したという報告もあり、国連は、新型コロナの

 

陰に隠れたDVの「パンデミック(世界的大流行)」が起きている

 

と警鐘を鳴らしています。日本でも、DVによって妻が死亡し、夫が

 

逮捕されるなど、懸念が高まっています。国連の組織「UN

 

ウィメン」の事務局長は、外出制限が感染抑止になると認めた

 

上で「暴力的なパートナーといる女性は孤立を深めることにも

 

なっている。密室での暴力は最悪の事態だ」と危機感を強めて

 

いる、と報じられています。外出制限や都市封鎖のため、被害

 

女性が公共機関に訴えられず、必要な支援を受けられないケース

 

も問題化しています。また、医療関係者の多くが、新型コロナ

 

ウイルス対応に忙殺されて人手不足になっていて、性暴力に

 

遭っても必要な処置を受けられないこともある、とうことです。

 

国連報告書は、15~49歳の女性のうち、約2億4300万人が、

 

過去1年間に親密なパートナーから性的、身体的な暴力を受けた

 

と指摘しています。「外出制限の下で、治安、健康、経済的な

 

不安から緊張が高まっている被害者数はこれから増えるだろう」

 

と推定している、とのこと。逃げ場を失って、離婚や自殺をする

 

ケースもあり、問題は深刻です。日本では、支援団体「全国女性

 

シェルターネット」が、3月末に、対策を国に要望しています。

 

内閣府が、今日20日から、DV被害の相談番号を増やすととも

 

に、SNSやメールによる窓口を新設します。外出自粛で、

 

パートナーが家にいることで、相談の電話がかけづらくなることも

 

考えて、ということです。通話無料の相談番号は、0120-

 

279889で、休日を含めて午前9時~午後9時の受付を始め、

 

29日夜に24時間態勢になります。既存の電話0570-

 

055210も引き続き対応します。メールやSNSについては、政府

 

の男女共同参画局ホームページで近く案内する、ということです。

 

児童虐待については、増加したという数字は、今のところ

 

報じられていませんが、経済的に困ってくると増加するという事実

 

があり、心配されます。