2020年度予算が、27日に成立しました。一般会計の総額は
102兆6580億円で、過去最高ですが、新型コロナ対策の費用
は入っていません。20年度予算は、首相が力を入れた幼児教育
・保育の無償化、大学など高等教育の授業料減免、防災対策
などが盛り込まれています。キャッシュレス決済のポイント還元の
費用など、昨年10月の消費増税後の景気悪化を避けるための
事業規模26兆円の経済対策も一部含まれています。歳出で
全体の3分の1を占める社会保障費が、前年度から5%超増えて
35兆8608億円で過去最高になっています。また、米国製の
ステルス戦闘機を買う費用などが入った防衛費は5兆3133億円
で、6年連続で過去最大を更新しています。歳入面では、消費
税率の引き上げによって、税収を過去最大の63兆5130億円と
見込んでいます。不足のための新たな国債の発行額は32兆
5562憶円で、当初予算の時点では、10年連続で減らして
います。しかし、今後は、新型コロナウイルスに対応するための
大型の補正予算が、この当初予算に上乗せされることになり
ます。この緊急経済対策では、リーマンショック時を上回るかつて
ない規模の対策を取りまとめる、と安倍首相は明言しています。
主な項目としては、〇家庭向けに対象をしぼった現金給付を実施
〇中小企業向け無利子・無担保融資を民間金融機関でも対応
〇中小向けの給付金制度を創設 〇感染拡大抑制後の運輸・
外食・イベントなどの需要を短期集中で喚起 〇正規・非正規を
問わず雇用を維持した企業に対し、雇用調整助成金の給付率を
引き上げ。中小は9割に、などとなっています。与党内からは、
現金を全員に配るとか、お肉券・お魚券などと支持していくれて
いる団体向けの族議員ならではの提案もあると報じられていま
した。確かに、前例のないコロナウイルス対策で、窮状に陥って
いる人や企業への経済的支援は必要です。適切なものを、迅速
に行ってもらいたいと思います。一方で、国債で賄うということは、
将来世代へのツケを増やすことになるので、バラマキではなく、
真に必要なものにしてもらいたいものです。