性暴力に抗議して、被害者の痛みを分かち合おうと花を手に

 

集まる「フラワーデモ」が、昨日8日の国際女性デーに、各地で

 

開かれました。東京駅前のデモは、新型コロナウイルスの感染

 

予防のため、インターネット中継によるオンラインデモになり

 

ました。このフラワーデモは、昨年4月に、実の娘に対する性的

 

虐待事件などで無罪判決が相次いだことに抗議して、東京駅前

 

で始まりました。これまで毎月11日に開催され、各地でSNSなど

 

でつながった人たちが開催し、今回、47都道府県で一斉デモを

 

して、いったん終わりの予定でしたが、新型コロナウイルスの

 

感染拡大で延期を余儀なくされる所もありました。そうした中でも、

 

東京の調布市では初めてのデモがあり、40人余りが集まり

 

ました。山形市では、県内初のフラワーデモに男女15人が

 

集まったと報じられています。インターネット中継で、最初に呼び

 

かけた作家の北原みのりさんが東京駅前から「今日は区切り

 

だけど、終わりではない。今度は社会が変わっていく番だ」と

 

話しました。フラワーデモは、これまで我慢をし、声に出して

 

こなかった性暴力の被害者や共感する人たちが集まり、見えな

 

かったもの、男の人中心の社会が見たくなかったものを、見える

 

ようにした効果があると思っています。まだ、全国各地に広がって

 

いる最中なので、どういう形にしろ、継続されていくのがよいと

 

思います。デモは、2017年に改正された刑法で、宿題として

 

残されている改正を求めてもいます。2017年に、性犯罪の刑法

 

の規定が改正されましたが、その見直しが、3年後の見直しと

 

規定されているので、今年始まりそうです。3年前の改正では、

 

それまで被害者を女性に限っていた「強姦罪」を、性別を問わない

 

「強制性交罪」に改めました。また、親などが子どもに性的虐待を

 

した場合の規定も作られました。見直しが必要とされているのは、

 

意思に反した性交は犯罪だとする国が多いのに、日本では

 

明らかに被害者が望んでいなくても、「暴行」や「脅迫」がなければ

 

犯罪になりません。「不同意性交罪」を設けるのかどうかが、

 

論点のひとつです。被害者団体などは、刑が軽い「不同意性交

 

罪」を作り、暴行などがある場合は罪を重くすることを提案して

 

います。また、子どもが被害者の場合、時効の開始を遅らせるか

 

時効を撤廃するかという、「時効の停止または撤廃」も宿題の

 

ひとつです。これから、法務省の作業部会が性犯罪の実態を

 

報告書にまとめ、その後、法改正の必要性や被害者支援の強化

 

策などが検討される、ということです。世界的にも、#Me Too

 

運動などで、これまで声を上げられなかった性暴力被害者などが

 

声をあげています。当事者の声を反映した法改正を望みます。