中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が
広がっている問題で、武漢市は昨日23日、市内全域の交通機関
に加えて、同市を出発する航空便や鉄道の運行を停止しました。
また、日本では武漢から旅行で東京を訪れていた40代の中国人
男性が、2人目の感染者と確認されています。茂木外相は、
先ほど、24日付けで、中国の武漢を含む湖北省全体に対する
「感染症危険情報」について、渡航の中止を勧告する「レベル3」
に引き上げる方針を明らかにしました。中国の武漢では、日本人
1人が重度の肺炎を発症し入院していることも報じられていて、
新型肺炎かどうか確認中ということです。新型コロナウイルスは、
遺伝子レベルでは89%がかつて中国やアジアで流行した重症
急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスと同じだという分析結果が
出ているそうです。ただ病原性や感染力はSARSに比べて弱いと
多くの専門家がみていて、性質が変化したことを示すような
遺伝子変質は、今のところ起きていない、とのこと。確認された
感染者は、中国で628人(うち死者が17人)、香港、マカオ、
台湾、タイ、シンガポール、韓国、米国、そして日本で1~4人
です。ジェトロ(日本貿易振興機構)によると、武漢は中国有数の
自動車産業の年で、武漢とその周辺には、およそ160の日本
企業が進出していて、500人程度の日本人がいる、ということで、
各企業は、対応に頭を悩ませているようです。明日25日からは、
春節で、日本でいう旧正月になり、この休み中には述べ30億人
が移動すると予測されていて、感染の拡大が心配されています。
厚生労働省は、空港での検疫を強化することにしていますが、
日本で発症した2人も、空港では感知されていず、水際作戦にも
不安があります。予防は、インフルエンザと同じでよく、手洗い、
消毒、マスク(特に症状の出た人)など、とのこと。騒ぎすぎずに、
でも予防に努めるしかないと思います。中国政府は、ウイルスが
変異した可能性がある、としています。SARSの時には8人以上へ
感染拡大した人物を設定したという、スーパースプレッダーという
自分以外の多くの人へ感染させる人の出現を防ぐこと等、可能な
かぎりの対策が望まれます。