四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転禁止を求めて、

 

50キロ圏内に住む山口県東部の3つの島の住民3人が申し

 

立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(森一岳裁判長)は、

 

17日、運転を認めない決定をしました。「四国電力の地震や火山

 

リスクに対する評価や調査は不十分だ」として、安全性に問題が

 

ないとした原子力規制委員会の判断は誤りがある、と指摘しま

 

した。運転禁止の期間は、山口地裁岩国支部で係争中の差し

 

止め訴訟の判決言い渡しまでとしました。伊方3号機は、現在、

 

定期検査のため停止中で、今月15日にはプルサーマル発電で

 

使い終わったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の取り

 

出しを完了し、4月27日に営業運転に入る計画でしたが、判決の

 

見通しはたっていず、運転再開は当面できない状態になった、と

 

報じられています。主な争点は、耐震設計の目安となる地震の

 

揺れや、約130キロ離れた熊本県の阿蘇カルデラの火山リスク

 

の評価が妥当か、ということでした。この決定は、再稼働を認めた

 

原子力規制委員会の判断にも疑問を突き付けていて、全国で

 

原発の再稼働を進めている国や電力会社には、この決定を

 

しっかり受け止めて、リスクと向き合うことを求めたいと思います。

 

広島高裁は、今回、一定規模の噴火は考慮すべきと判断し、

 

地震に関する調査も不十分だと指摘しています。四国電力は、

 

決定を不服として争う方針、とのこと。政府は、2030年度の

 

電源構成に占める原発の割合を20~22%としているため、

 

住民の不安を払拭できないまま、再稼働を強行しようとしている

 

ように見えます。住民の不安の訴えに、司法が原発ストップを

 

決定した事実を、重く受け止めてほしい。原発は維持するための

 

コストも高くなり続けています。自然エネルギーなどへの切り替え

 

に本気で取り組んでもらいたいと思います。