2019年に生まれた子どもの数は、90万人を割り込み、86万
4000人になる見通しを、昨日24日、厚生労働省が公表しま
した。前年より約5万4千人少なく、1989年に統計をとりだして
以来最少になる見通しです。死亡数は137万6千人で、戦後最多
となり、死亡数から出生数を引いた人口の自然減は51万2千人
で、前年より6万8千人増え、過去最大になる見通しです。厚生
労働省の担当者は「出産適齢期とされる25~39歳の女性数が
減少し、令和元年に結婚を先送りしたカップルがいたことが影響
したのではないか」としている、と報じられています。改元に関する
ことは、1年限りのことですが、1989年に「ひのえうま」の年より
出生率が下がった時の「1.57ショック」以来、少子化はずっと
課題とされ、必要な政策も出し尽くされてきている感があります。
私も、NHK解説委員として、その後は国会議員(厚生労働副大臣・
大臣、少子化担当大臣)として取り組んできましたが、支援策が
まだまだ足りないのだと思います。依然として女性の肩に子育て
の負荷が圧倒的にかかり、働く女性が多数になっているのに、
キャリアと子育ての両立が難しいこと、子どもを預ける保育所など
が足りないことなど、課題が山積しています。また、選択的夫婦
別性のための法改正が進まず、日本では法律婚でないと支援が
ないことも、97%位女性が姓を変えて仕事上不利益を被ること
などから、結婚・出産を躊躇わせる要因になっていると思います。
日本では、初婚年齢が、男性は31.1歳、女性は29.4歳と、
高くなり続けています。また、50歳になった時の未婚率は、男性
が23.37%、女性が14.06%と、こちらも年々高くなって
います。そのうち9割近くが結婚はしたいと思っているのに、しない
まま50歳を迎えている、と報じられていました。日本は、世界一の
超高齢社会、あわせて超少子社会になっています。社会保障を
維持していくためにも、もっともっと子育て支援を充実させる必要
がありますし、女性が輝く社会といっているのに、現状では、
子育てをしながらでは輝けないことに、もっと光を当てるべきだと
思います。今年亡くなった緒方貞子さんが、民主党政権の時の
政府の会議で、「対策の報告書は山積みされているのに、それを
実行しないからだ」と強い口調でおっしゃっていたことが思い
出され、その通りと思わずにはいられません。