2020年度開始の大学入学共通テストを巡って、政府は、先月の

 

英語民間検定試験に続いて、国語と数学への記述式問題の導入

 

についても見送りに向けた最終調整に入った、と報じられて

 

います。国語と数学の記述式導入については、50万人分の答案

 

を公平に見ることはできない、と教育関係者や当事者の高校生

 

などから批判が出て、見送りを求められていました。50万人分の

 

採点は、ベネッセコーポレーションのグループ会社「学力評価研究

 

機構」が担うことになっていますが、そこで雇われた学生アルバイ

 

トなどが書かれている個別の記述を公平に採点はできないこと、

 

またベネッセで商品企画開発を担当する幹部が機構の幹部を

 

かねていたことから、問題漏洩や営業利用を心配する声もある、

 

とのこと。受験生が自己採点に基づいて出願先を決めるため、

 

正確な自己採点が欠かせませんが、試行調査では自己採点と

 

成績とのずれが国語で最大33.4%、数学で14.7%に達して

 

いました。記述式見送りの最終調整をしているのは、与党の公明

 

党からも問題を指摘して見送りを求める意見が届けられ、官邸

 

で見直し論が急拡大したそうです。理想を机上のプランで実現

 

しようとしたことが、現実に合わなかったのではないでしょうか。誰

 

がどのように決定したかを明らかにすることが、見直しの第一歩だ

 

と思います。とにかく、受験生がこれ以上混乱しないように、早急

 

な結論が求められます。そもそも記述式を共通テストに導入

 

すべきなのかから再考したもらいたいと思います。それぞれの

 

大学での試験でみることなのではないでしょうか。