政府は、昨日13日、公費によって首相が主催する2020年の
「桜を見る会」を中止すると発表しました。菅官房長官が、記者
会見で「招待基準の明確化やプロセスの透明化を検討し、予算や
招待人数を含めて全般的に見直す」と明らかにしました。安倍
首相の地元支援者が多数参加したと指摘されていて、行事の
「私物化」が批判され、批判回避のために異例の判断に追い
込まれた、といわれています。この疑惑については、8日の参院
予算委員会で共産党の田村智子氏が、4月の桜を見る会前日に
東京都内で開かれた首相後援会の前夜祭に約850人が参加
したとして「「桜を見る会」とセットでの後援会の一大行事になって
いる。桜を見る会では酒などふるまう。公選法違反のようなことに
税金を使っている」と批判しました。その後、維新の会を除く
野党が超党派でチームを作って追及していました。安倍首相は、
桜を見る会について、8日の参院予算委員会で「招待者の取り
まとめなどには関与していない」と答弁していました。ところが、
地元の安倍事務所が、桜を見る会の案内のために出していた
文書が明らかになりました。桜を見る会と合わせて東京都内を
観光するツアーが複数記されていて、返事を求めるようになって
いました。「安倍事務所は、飛行機、ホテル、バス移動まで丸抱え
で支援者の面倒を見るシステムだった」と地元関係者が証言して
いる、と報じられています。参加者から約6~8万円の代金を
徴収しているということですが、桜を見る会会場までバスで送迎
するなどもしています。今回、来年は中止としたことは、「非を認め
た」と受け止められていて、野党は国会論戦を通じて「税金を
使った支持者の接待」の実態をあぶり出すとしています。桜を見る
会は、毎年行われてきていますが、2014年には予算額1767
万円で、参加者は1万3700人だったものが、第二次安倍政権に
なってから年々増加し、来年度予算の概算要求では5729万円と
6年間で3倍以上になっています。参加者も昨年は1万8200人
と約4500人増えています。桜を見る会は、各国大使や、文化・
芸能、スポーツ、政界など各界で功績があった人を招き、慰労
するもので、招待者は、内閣官房と内閣府が定める開催要領に
基づいて選ばれる、ということです。官邸内の首相、副総理、官房
長官、官房副長官などに推薦依頼をしていて、官邸・与党の推薦
は慣例となっているとのこと。再来年以降、継続するのであれば、
選考基準を明らかにして、予算も人数も削り、誰もが納得できる
ものにしてもらわなければ困ります。