映画、テレビ、舞台で活躍した俳優の八千草薫(本名:谷口瞳)さんが、24日、

 

膵臓がんで、88歳で亡くなりました。葬儀は、近親者で行い、お別れの会も

 

故人の意向で開かれない、とのこと。とても上品で、かれんな中にも強い芯が

 

あり、多くの人に好かれた女優さんだと思います。世田谷区にお住まいで、私の

 

選挙区だったので、知人の方に紹介されお宅にお邪魔したことがあります。

 

ベランダのような場所で、花に囲まれ、ゆったりとお茶を飲みながらお話しした

 

ことを覚えています。お会いしても、映画やテレビで拝見しているままの方という

 

印象でした。八千草薫さんは、1947年に宝塚歌劇団に入団し、娘役として活躍。

 

1954年には、「宮本武蔵」の映画で、お通を演じて、米アカデミー賞外国語映画

 

賞を受賞。その後も「男はつらいよ 寅次郎夢枕」「雪国」など多くの映画に出演

 

しました。テレビドラマでは、1977年の「岸辺のアルバム」で不倫愛に走る主人公

 

を好演して話題に。舞台では、「二十四の瞳」「黄昏」などで活躍しました。2017年

 

には、倉本聰脚本の昼のドラマ「やすらぎの郷(さと)」で、”姫”と呼ばれる元女優

 

を演じ、私も変わらぬ姿を見ていました。続編で現在も放送中の「やすらぎの刻

 

(とき)~道」には、がんのためヒロインは降板していましたが、石坂浩二さんが

 

演じる脚本家の部屋のソファーに回顧シーン?で出演していました。自然環境

 

保全審議会委員を務めるなど、自然保護活動にも取り組み、八ヶ岳の住まいが

 

大好きだった八千草薫さん。40年来の八ヶ岳での友人、柳生博さんが、テレビで

 

亡くなったことが信じられないと話していました。柳生さんの息子さんが亡くなった

 

時も真っ先に駆けつけてくれた、息子と一緒に、そこの森にいると思う、と。

 

最後のテレビドラマになった、やすらぎの郷で共演した石坂浩二さんも、涙ながら

 

に、あの声がもう聞けないとは、と話していました。多くの人たちがその死を惜しん

 

でいます。長く女優を努め、全うされた八千草薫さん、安らかにお休みください。