政府は、ホルムズ海峡周辺を含めた、中東への自衛隊派遣の検討に入った、と

 

報じられています。安倍首相が、本格的に検討するよう関係閣僚に指示した、と

 

いうことです。イラン沖のホルムズ海峡の安全確保を目指す米国主導の有志連合

 

構想には参加せず、独自に派遣する方針です。ホルムズ海峡を避け、アラビア

 

半島南部のオマーンやイエメン沖に艦船や哨戒機を出して情報収集に当たる案

 

を軸に年内にも決定するそうです。菅官房長官は、派遣根拠を防衛省設置法の

 

「調査・研究」と説明しています。「調査・研究」は、国会承認が不要で、防衛相の

 

判断で実施できるので、歯止めがなくなる恐れがあります。一部の憲法学者から

 

は「防衛省設置法を作った時に、調査・研究で海外に派遣するなど想定していな

 

かった」としています。これまでに、調査・研究目的として、2001年の米同時多発

 

テロ後、アフガン戦争でペルシャ湾に向かう米空母キティホークに、海自艦を

 

横須賀基地から同行させました。また、同年11月には、テロ対策特別措置法に

 

基づく活動の前に、長崎県の佐世保基地から護衛艦をインド洋に先行派遣しま

 

した。実際に派遣された場合の武器使用権限は、自衛隊法95条に基づく正当

 

防衛、緊急避難に限られ、危険な船が接近した際の停戦射撃はできない、との

 

こと。中東で事態が緊縛すれば、海上警備行動に切り替えて、日本関係船舶の

 

護衛をすることも視野に入れているそうですが、そこでもできるのは警察的な

 

行動で、人に危害を与える武器の使用の判断は難しい、ということです。海自

 

幹部は「海上警備行動を中東で行う可能性がある以上「とりあえず行け」という

 

わけにはいかない」としていて、当然のことだと思います。危険時に、丸腰になる

 

可能性があるわけですから。今、日本がするべきなのは、自衛隊の派遣ではなく、

 

イランとの友好関係をいかして、仲介者として「外交努力」をすることだと思い

 

ます。