昨日20日、超少子高齢社会に合わせた「全世代型社会保障」のあり方を検討

 

する有識者や閣僚による新しい会議の初会合が開かれました。高齢者などの

 

就労を促し、支え手を増やすことに重きを置き、国民の負担増や給付カットなどの

 

痛みを伴う改革には慎重、といわれています。せっかく作る会議なのですから、

 

将来の社会保障像を示し、若い人も高齢者も納得できるものに踏み込んでほしい

 

と思います。これからの社会保障は、決してバラ色ではなく、痛みを伴うものである

 

ことを、多くの国民はわかっていると思います。どのように公平に負担しあって、

 

どの程度の社会保障を保つのかは、大きな課題です。これから、私たち団塊の

 

世代が全員75歳以上になる2025年度には現在約121兆円の社会保障給付費

 

が約141兆円に、65歳以上の人口がほぼピークの2040年度には約190兆円

 

(GDPの24%)に達するので、社会保障改革は、待ったなしなのです。しかし、

 

安倍首相が、初会合で掲げた検討項目は70歳までの就労機会の確保や、年金

 

の受給開始年齢を70歳をすぎても選べるようにすることなど、すでに政府内で

 

方向性が決まっている高齢者の就労促進策だった、と報じられています。年金の

 

改革については、受給開始年齢の選択肢のほか、厚生年金のパートなどへの

 

適用拡大、働いて一定の収入がある高齢者の厚生年金をカットする「在職老齢

 

年金制度」の見直しの3つで、これも厚生労働省が8月に公表した年金財政検証

 

で導入した場合の試算を示しているものです。委員会メンバーの清家前慶応義塾

 

長は、会議後、記者団に「給付と負担の問題は当然、社会保障制度改革を考える

 

際の中心的な課題になっていく」と強調し、中西経団連会長も「負担のあり方に

 

ついて、おおいに前向きに検討したらいい」と語った、とのこと。当然のことだと

 

思います。安倍首相が、将来像を示さないまま、消費税を10%に上げた後、

 

10年は上げる必要はない、と言っているのは、無責任な人気取りだと考えます。

 

小手先の政策ではなく、財源も伴った社会保障の全体像を、是非示してもらい

 

たいと思います。民主・自民・公明の3党で合意した「社会保障・税一体改革」

 

では、消費税を2段階で10%に上げること、消費増税を政争の具にしないことを

 

明らかにしていました。それを先送りして反故にしたのは安倍政権です。政府に

 

全体像を示すことを求めるとともに、今回発足した立憲・国民・社保などの野党

 

統一会派も、消費増税反対というのなら、それに代わる財源を示す責任があると

 

思います。