台風15号の影響による千葉県での停電は、被害発生から5日目になっても、

 

全面復旧には至らず、今日13日午後6時半の時点で、依然としておよそ18万

 

5100戸で停電が続いています。今日、5万戸あまりの停電は復旧しましたが、

 

東京電力の見通しより大幅に遅れていて、批判されています。森田知事は、

 

「早期の停電解消の見通しが示されたが、見通しとかけ離れたことは大変遺憾」

 

と苦言を呈し、熊谷千葉市長も「楽観的な見通しを発表することは被災者のために

 

ならない。全ての関係者が準備できるような情報発信、意識を持ってほしい」と

 

語っています。停電が続いているのは、南房総市、館山市、鴨川市、君津市、

 

千葉市の一部、市原市の一部などです。この停電によって、君津市の特別養護

 

老人ホームで82歳の女性が熱中症によって死亡し、この停電による熱中症の

 

死亡者は3人になります。命にかかわることですし、電気や水など生活が困る

 

ほか、電話やスマホの充電ができない上、電波の状態も悪く、支援物資の情報も

 

伝わりにくくなっています。東京電力は、遅れていることについて、倒木などで

 

道路が寸断され、作業用の車両が入れなかったり、作業を進める中で電柱や

 

電線に新たな損傷が見つかったりして、想定以上に時間がかかっている、として

 

います。特に、房総半島の山間部は倒木が多く、復旧作業で大型車が現場に

 

近づけず、伐採撤去作業に時間がかかっている、ということです。被害の全体像

 

が把握できていないうちに、早めの復旧見通しを発表したことで、混乱が加速した

 

のだと思います。東電の技監は、昨日12日の会見で、「設備の損害状況が把握

 

できなかった」「台風通過後、どれくらい被害が出るかという見通しも甘かった」と

 

語っています。老朽設備が被害を大きくした可能性を指摘する声もある、と報じ

 

られています。福島第一原発事故の賠償費用などを捻出する必要があり、

 

送配電事業の合理化で利益を確保していて、送配電設備への投資額は1991年

 

は約9千億円だったものが、昨年は約3千億円まで減った、とのこと。これは、

 

問題です。とにかく全力をあげて復旧を急ぐ必要があります。また、今後について

 

は、電線の地中化をもっと加速することや、長野県では未然に防ぐ対策として電柱

 

周辺で倒木の恐れがある木を取り除いておく「計画伐採」を県が中部電力と協議し

 

補助も出して進めているので、こうした事例も参考に、しっかり対策を進めてもらい

 

たいと思います。