多くの学校では、9月1日が2学期の始まりかと思いますが、私が住んでいる
長野県軽井沢町の小学校は、今日8月26日が2学期の始まりです。ここ数年、
子どもたちの自殺が一番多いのは、2学期が始まる9月1日前後ということが
知られるようになり、新聞やテレビなどのメディアで、子どもを亡くした家族や
いじめを受けていて辛かったという著名人などのことばが報じられています。
学校に行きたくない、学校で居場所がないことなどに悩む子どもたちに、自身の、
あるいは家族の子どもの経験から、命より大切なものはない、無理して学校に
行かなくてもいい、というメッセージを伝えています。子どもたちが目にしてくれ
れば意味のあることですし、子どもを何としても学校に行かせようとしている人が、
そうではないと気付くきっかけになると思います。全国的に、子どもの自殺は
減っていません。自ら命を絶った10代は、昨年599人(長野県内は12人)
でした。原因は、学校の友人関係だけでなく、複層的、ということです。警察庁の
統計によると、小中学生は家族の叱責、親子の不和、学業不振も目立ち、高校生
では、うつ病なども増えています。体調不良、不眠、食欲不振などのサインに
気づくことも大事だと思います。子どもたちが相談できるところも増えてきていて、
生きづらびっと(LINE)、こころのほっとチャット(ツイッター、LINE、フェイスブック)、
24時間子どもSOSダイヤル・NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネット
ワーク・チャイルドライン(電話)などが、あります。最近は、電話だけでなく、SNSを
使ってのものが増えてきて、時代の流れを感じさせられます。今朝の新聞にも、
14歳中学3年だった次男を自死で失った母親が、いじめられている友達を助けた
ことから自らもいじめの標的になり「つらさを全部、自分の中に押し込めていた。
子どもに任せっきりにしてしまったのが一番の間違い。介入するべきだった。」と
述べています。「友達を護れなかった。”困っている人を助ける・人の役に立ち
優しくする”それだけを目標に生きてきた」という次男の遺書にあったことばに突き
動かされて、2年前に夫などとともに学校でのいじめや事故の原因調査や再発
防止を訴える一般社団法人「ここから未来」を設立した母親の記事がありました。
国会議員をしていた時に、学校以外のいばしょとしての「フリースクール」の議員
連盟の事務局長をしていました。その頃からお世話になっている、「東京シューレ」
などを作られた奥地圭子さんが、「明るい不登校~創造性は”学校外”でひらく」と
いう本を、今月、NHK出版新書として出版されました。ご自身の息子さんの不登校
の経験から、不登校に悩む親子のかけこみ寺として「東京シューレ」を作られ、
それを複数にし、中学校など次々と子どもが必要なものを作り、全国ネットワーク
も作られるなどの奮闘ぶりが、人々の意識の変化や率先して変えてきた制度など
とともに語られています。ご関心のある方は、読んでいただければと思います。