徴用工問題をめぐる日韓の対立が、エスカレートしています。先日は、多くの国が

 

集うWTO(世界貿易機関)の会合で、韓国と日本が言い争いました。自由貿易を

 

守るための重要な枠組みの会合です。韓国が日本による輸出規制強化を取り

 

上げ、不当だと主張しました。日本は反論し、かみ合いませんでした。日本は、

 

半導体材料の措置に続いて、韓国を、安全保障上問題のない国として扱う

 

「ホワイト国」から外す手続きを進めています。韓国にとっても、日本にとっても、

 

経済の足を引っ張ることになり、展望も開けない中、懸念が広がります。また、

 

駐日韓国大使に対して、河野外相が、徴用工問題での大使の発言を遮り

 

「極めて無礼だ」とメディアの前で言ったことも、冷静な対応とは思えません。

 

日米韓の関係は、安全保障上も重要です。何とか、話し合う機会をもって、冷静に

 

対応してもらいたいと思います。

 

そうした中、長崎県や福岡市などとの交流事業について、韓国・釜山市は、「日韓

 

関係が発展的に改善するまでの間、延期したい」と連絡してきた、とのこと。また、

 

岐阜県大垣市では、28日から予定していた韓国・昌原市とのサッカー交流が

 

韓国側からの申し入れで延期になりました。昨年は、大垣市の子どもたちが

 

3泊4日で韓国を訪れるなど交流は長年続いていたそうで、担当者は「率直に

 

言って残念。子どもたちや保護者も残念がっている」と話した、と報じられて

 

います。静岡県御殿場市も、8月上旬に友好都市の韓国・論山市から高校生13

 

人を受け入れる予定が延期になりました。奈良県天理市でも、姉妹都市の韓国・

 

瑞山市へ中学生8人を派遣する交流事業を取りやめると発表しています。国同士

 

の関係が改善されることが望まれますが、政治状況に関わらず、市民レベルでの

 

交流は続けていくべきだと思います。それぞれの国の国民同士は、けんかをして

 

いるわけでもないのに、長年積み重ねてきた市民の交流が延期になっているのは

 

残念です。もっと広い気持ちで、国の交流の基盤になる市民同士の交流、特に

 

子どもたちの交流を大事にしてもらいたいと思います。