参院選が、昨日4日公示され、17日間の選挙戦がスタートしました。改選124

 

議席に選挙区215人(改選数74)、比例155人(改選数50)の計370人が

 

立候補しました。歴代最長政権に近づく安倍首相(自民党総裁)が、衆参両院の

 

大型国政選6連覇を果たすのか、これまでの政権運営に審判が示されることに

 

なります。今回の選挙の大きな焦点は、安倍政権の下での憲法改正に前向きな

 

改憲勢力が国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持するのかどうかです。

 

3分の2以上を確保するには、86議席を獲得する必要があります。安倍首相は、

 

責任を問われることを避けるために、もっと低い議席数を目標として掲げています

 

が、あとは改憲に前向きな他党と加えて、ということでしょうか。世論調査では、

 

参院選で改憲を判断材料にする人は非常に少なく、医療・福祉・介護、景気・雇用

 

などの経済政策に、関心が集まっています。私も、超少子高齢社会の安心のため

 

の社会保障政策に注目しています。前国会では、老後に2000万円は必要という

 

金融庁の審議会の報告を政府が受け取らないという前代未聞のことがあり、年金

 

の不安が大きな争点になっています。安倍首相は、これも人気とりだと思います

 

が、消費税増税は、10月の2%増税のあと、10年間は不要と、3日の日本記者

 

クラブでの討論会で発言しています。これは、あまりに無責任な発言だと思い

 

ます。2025年には、団塊の世代が75歳の後期高齢者になり、安心できる老後

 

には、もっと多くの財源が必要になることは、明らかです。10%のままでは、どん

 

どん社会保障を切り下げていくしかありません。選挙に都合のよいことだけ言い、

 

不都合なことは隠しておくのでは、あまりに誠意がなさすぎます。野党も、社会

 

保障の将来像を示すべきです。民主党政権の時に、民主・自民・公明の3党が

 

合意して、税と社会保障一体改革を行ったのに、野党が口をそろえて、10月の

 

消費増税反対と訴えているとには、首をかしげざるを得ません。また、候補者を

 

できる限り男女同数にするよう政党に求める「候補者男女均等法」が昨年5月に

 

成立して、初の国政選挙です。今回の参院選に立候補した女性は104人と全体

 

の28.1%と、過去最高になりました。各党の候補者に占める女性の割合は、

 

自民党15%(12人)、公明党8%(2人)、立憲民主党45%(19人)、国民民主党

 

36%(10人)、共産党55%(22人)、日本維新の会32%(7人)、社民党71%

 

(5人)、れいわ新選組20%(2人)、無所属35%(11人)となっています。これも、

 

判断材料のひとつだと思います。安倍政権が最長になることを是とするか。それ

 

には、これまでの国会での対応で一強他弱の中、強行採決を繰り返し、憲法に

 

規定されている一定数を超える議員が要求しても予算委員会を開催しないなど、

 

国会での民主的な議論を封じてきた手法をどうみるか。様々な隠ぺい、忖度など

 

を許すのか。民主主義の土台を築きなおす選挙にしてほしいと思います。争点

 

は、他にも、労働問題の働き方改革の評価、就職氷河期だった世代の非正規など

 

への対応、入管難民法を改正して外国人労働の枠を広げたことなどもあります。

 

社会保障では、子どもための支援が、高額所得者のためともいわれる幼児教育・

 

保育の無償化でよいのか、3党合意にあった保育の充実のために保育士の処遇

 

をあげることを優先するか。外交の問題も多々あります。有権者が、それぞれの

 

関心に基づいて、政党や候補者の主張・実績などの情報を集め、大切な1票を

 

行使して、「良識の府」と、かつていわれた参議院を取り戻す選挙にしていほしいと

 

思います。