トランプ米大統領が、3泊4日の日本訪問を終えて、今日午後、日本を発ち

 

ました。到着翌日には、千葉でゴルフ、大相撲観戦、炉端焼き。昨日は、皇居で

 

天皇陛下と会見、日米首脳会談、拉致被害者家族との面会、共同記者会見、

 

夜は宮中晩さん会。令和最初の国賓としてトランプ大統領を招待し、考え得る

 

かぎりの「おもてなし」をした印象です。安倍首相は、夏の参院選を前にトランプ氏

 

との蜜月ぶりをアピールして、政権の支持率をあげたい思惑がある、といわれて

 

いました。仲が悪いよりよいに越したことはありませんが、やりすぎと感じたのは、

 

私だけでしょうか。大相撲観戦では、貴賓席ではなく、土俵に近い所にソファーを

 

特設し、周囲を警備陣がとりまき、相撲観戦に来た人からは、相撲を見に来た

 

のに迷惑だ、という声もあがっていました。安倍首相が、200年に一度の代替わり

 

後の初の国賓としてトランプ氏を説得し、重い腰をあげさせて実現した、とも

 

報じられています。新しい天皇陛下へのお祝いが主な目的といわれてもいました

 

が、トランプ氏は、厚遇に感謝しながらも、笑顔は少なく、心ここにあらず、とも

 

報じられています。ツイッターで、現在は自分より支持率が高い、民主党の有力な

 

候補者バイデン氏を攻撃することばを発していたとも。日米首脳会談は、4月に

 

続いて11回目でしたが、日米貿易交渉を参院選後の8月に決着させると、

 

「8月」と明言され、記者会見で安倍首相は、びっくりした顔をしていました。

 

あからさまに参院選対策で恩を売られた形です。何か密約があるのでは、と

 

野党が予算委員会の開催を要求しているは、当然のことだと思います。予定を

 

大幅に延長した首脳会談では、おそらく8月とはいっていなかったのでしょうから、

 

トランプ氏のかけひき上手を表しているのかと思います。また、TPPの範囲内でと

 

している日本に対して、トランプ氏は、TPPを前提とすることを否定しています。

 

対北朝鮮政策では、拉致問題の解決に米国が協力することでは一致しましたが、

 

今月上旬に北朝鮮が発射した短距離弾道ミサイルへの見解はずれがあった、

 

とのこと。共同記者会見で、ミサイル発射が国連安保理の決議違反ではないjかと

 

問われて「私の見方は違う」と即答し、北朝鮮問題で「日米の立場は完全に一致

 

している」と明言した安倍首相を即座に否定する発言をしています。昨日も

 

書いたように、地球温暖化対策に後ろ向きだったり、イランとの核合意を破棄

 

したり、国際社会が作ってきたものをぶち壊すことを次々にしているトランプ氏に

 

対して、対米追従ではなく、日本としての価値観をしっかり伝え、仲がよければ、

 

耳の痛いことも言うべきだと思います。

 

今回のトランプ氏の来日で、よかったと思うのは、天皇皇后両陛下との会見や

 

宮中晩さん会で、天皇皇后両陛下が、巧みな英語で通訳なしで話をされたり、

 

国際親善に大きな役割を果たされるであろうと期待感を持てたことです。長年適応

 

障害で闘病されていた雅子様も、外交官としての能力も発揮できる、皇后としての

 

お役目に、いきいきと笑顔で対応されているようで、うれしく思います。昨日の

 

宮中晩さん会での、天皇陛下のおことばは、アメリカと日本の交流の歴史、

 

ご自身や雅子様のアメリカと親しい関係、上皇様の戦争にたいする考え方を

 

受け継ぐ意思など、よく考えられた、天皇陛下のお考えが示されたものだと

 

思いました。これからの令和の皇室外交に期待したいと思います。