4月、5月と天皇陛下の代替わり行事が続きましたが、安倍首相が頻繁にメディア
に登場してアピールし、識者からは、「天皇の政治利用になりかねない」という指摘
もある、と報じられています。日本国憲法では、天皇は国民統合の象徴であり、
国政に関する権能を有しない、とされていて、当然、政府は天皇を政治利用する
のは謹むべきです。ところが代替わりや改元に対する祝賀ムードを、政権浮揚に
つなげる意図があれば憲法違反の疑いが強いのですが、安倍首相がその原則を
脅かす行動を続けている、と指摘されています。4月に新元号「令和」が発表
された際には、平成の時には官房長官の会見だけだったのに、今回は安倍首相
も記者会見し、その後NHKをはじめ民放の番組をハシゴして、どういう思いで
「令和」としたかをアピールしていました。天皇陛下の即位後も、通常は、内容は
第三者に口外しないことが不文律とされている、天皇が首相から国内外の諸情勢
について説明を聞く「内奏」の際の写真と映像を宮内庁が公開しています。公開
されるのは、異例なことです。昨日25日には、トランプ米大統領が来日しました
が、令和最初の国賓として、皇居・宮殿では歓迎行事や両陛下との会見が予定
されています。天皇陛下の代替わりでアピールした効果か、安倍政権の支持率は
アップしています。夏の参院選を衆院を解散してダブル選挙にするという解散風が
吹いている中、国会で追及を避けるためか予算委員会が、衆院で85日、参院で
59日間も開かれていません。このまま高くなった支持率をもってダブル選挙を
目論見、そのために天皇陛下の代替わりを政治利用しているとすれば、とんでも
ないことだと思います。