新元号「令和」については、昨日も取り上げましたが、今日になって、その舞台裏

 

や各地での反応などが報じられていますので、再び取り上げたいと思います。

 

事前に新元号が漏れないように、そうとうピリピリしていたようです。有識者懇談会

 

や閣議などが開かれる首相官邸では、電波が発せられないように妨害電波を

 

出していて、中継の電波も妨害された、ということです。有識者懇談会に提出

 

された6例は、明らかにされないと聞いていましたが、今日は報道されていて、

 

あいうえお順に「英弘」「広至」「久化」「万和」「万保」そして「令和」で、9人の

 

メンバーのうち7人が「令和」を支持し、他の2人もそれでよいと言った、とのこと。

 

その後、衆参両院の議長・副議長の意見も聞き、臨時閣議では、有識者懇談会の

 

結果が冒頭報告され、「令和」に決められたとのこと。こちらも明らかにされない

 

はずの、考案者も各紙で報じられています。その名前を見て、驚きました。という

 

のは、専門家の間で考案者として浮上している、文化勲章受章者で国際日本文化

 

研究センター名誉教授の中西進氏(89)は、私が成城大学の国文科で学んで

 

いた時にゼミの教授として教えていただいていたからです。昨日書いた、卒論の

 

万葉集の柿本人麻呂歌集についても、中西先生の指導を受けました。中西先生

 

は、万葉集の研究の第一人者で、日中の比較文学研究でも知られています。

 

万葉集は、音を漢字に当てはめた表音文字の万葉仮名で記されているため、

 

意味を重視する元号には向かないと言われていますが、中西氏は、昨年秋の

 

取材で、「万葉集の中にも少しは漢文があるから、その中でよいものがあれば

 

取れる」とt語っていて、漢文で記された序文からとった「令和」を予言するような

 

発言だった、と報じられています。ご本人は否定しています。多くの人に「令和」

 

は、受け入れられているようで、それはよかったと思いますが、発表の仕方などに

 

異論も出ています。「平成」の発表の時は、昭和天皇の喪中ということもあり、当時

 

の小渕官房長官が黒いネクタイで発表し、首相談話も合わせて紹介しました。

 

今回は、天皇の退位に伴うのでケースは違いますが、官房長官の発表の後、安倍

 

首相が記者会見をして、夜もテレビ出演をしていたのは、パフォーマンすが過ぎる

 

ように思います。思想家の内田樹さんは、「元号の発表を安倍政権の政治ショー

 

のように利用したことには不快感を覚えた。・・・・統一地方選の真っただ中に、

 

首相と官房長官が露出し続けるイベントをぶつけた。強い作為を感じる」として

 

います。私も、ほぼ同感です。夜には、テレビを消してしまいました。安倍首相は

 

記者会見で「ひとり一人の日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を

 

大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いを込め、「令和」に

 

決定いたしました。」と話しています。元号とは、首相の願いを表すものではない

 

はずです。西暦があれば、日本だけの元号はいらないのでは、という意見もあり、

 

なぜ天皇が支配する世の中ではないのに、皇位継承時に改めることが必要

 

なのかなど、この時代にふさわしいものは何か議論する機会になればと思い

 

ます。「令和」のもとになった、大伴旅人が梅花の宴を催した、福岡の大宰府に

 

ある坂本八幡宮に多くの人が訪れていたり、各地で「令和」を入れた商品が作られ

 

たりしています。またしばらくは、この話題でもちきりになりそうです。

 

軽井沢では、昨夜も雪が降り、全国的に冷え込んでいるようですが、春はまだまだ

 

といった感じです。最低気温は、今日は氷点下5度、明日は氷点下6度の予報

 

です。ようやく馬酔木(あしび)の花が見られるようになりましたが、浅間山は

 

雪化粧に逆戻りしています。