昨日の夕方に、東京での母のケア等から軽井沢に戻りましたが、夜になって雪に
なり、今朝は、白一色でした。今日は、晴天で、青空に雪で白くなった樹木が
きれいに映えていました。今日の日中は8度まで上がり、あっという間に雪は
融け、フードのあるコートでないと、樹木からの雪解け水でぬれてしまいます。
さて、胎児にダウン症などの障害があるかどうかを調べる「新出生前診断」に
ついて、日本産科婦人科学会が、検査できる施設を拡大し、要件を緩和する
指針案を、理事会で了承しました。指定の研修を受けた産婦人科医がいれば、
開業医でも検査ができるようになる内容です。これまでは、遺伝の専門医がいる
ことなどを条件に大学病院などの認定施設に限って認めていました。指針案
では、現在の認定施設を基幹施設と位置付け、新たに連携施設という区分を
設ける、ということです。妊婦からの採血だけで検査はできるため、検査自体に
危険はありません。しかし、陽性だった場合、重い決断を迫られるので、検査の
意味や正確な情報を伝えて熟慮できるような環境を整え、その後も精神的に
支えるカウンセリングが、とても大切です。認定施設が限られている現状でも、
カウンセリングを十分にする態勢は整っていないといわれています。日本遺伝
カウンセリング学会などによる認定カウンセラーは、全国で240人しかいないから
です。要件を緩和しようとする背景には、認定外の施設での検査が横行している
から、だそうです。指針が35歳以上としている妊婦の年齢制限を設けていない
ところや、認定施設では調べない染色体異常を検査しているところもある、という
こと。これまで認定施設での検査によって陽性が確定した人の9割以上が、中絶
を選んでいます。連携施設を増やせば、認可外の施設での検査が減る、とも
いえないと思います。障害がある人を排除する優生思想にもつながりかね
ません。まずは、カウンセラーをもっと養成することが、喫緊の課題だと思います。
学会での議論が公開されず、新しい指針案を決めた過程も不透明で、日本
小児科学会など関係する学会からも異論が出ています。慎重を期してもらいたい
と思います。