米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票は、
昨日24日投開票され、共同通信の集計等によると、辺野古沿岸部の埋め立てに
「反対」が7割超になった、ということです。投票率は、住民投票の有効性を測る
ひとつの目安とされる50%を超えて52.48%でした。反対票は、投票資格者
(速報値115万3591人)の4分の1(28万8398票)に達し、投票条例に
基づいて、玉城知事には、結果を尊重し、首相や米大統領に通知する義務が
生じました。辺野古移設問題にテーマを絞って、県民が直接民意を示すのは、
初めてのことです。辺野古移設に反対する民意は、翁長氏、玉城氏を選んだ
知事選で示されてきましたが、ごり押しする安倍政権に対して、「”辺野古”県民
投票の会」代表の元山仁士郎さん(27)など、若い人たちが署名を集め、県民
投票条例に結びつけました。元山さんは、「沖縄の民主主義が大きく発展する
一歩になった。政府は沖縄の民意を受けて動いてほしい」と語り、一緒に活動
した安里長重さん(46)は「分断を乗り越える新しい沖縄の政治の形になるのでは
ないか」と話している、と報じられています。しかし政府は、普天間の危険性除去
などのためには辺野古移設が唯一の解決策という立場を変えず、今回の結果を
受けても、工事を続けようとしています。また、東側には、軟弱地盤が存在する
ことが確認されていて、くい約7万7千本を使って地盤を強化しなくてはならず、
経費も当初の予定をはるかに上回る、とのこと。民意を無視して、無理やり辺野古
に移設しても、今後に禍根を残すことになることは、目に見えています。県民投票
で過半数を超える人が投票し、有権者の4分の1以上が反対の意思表示をしたの
ですから、政府は、結果を正面から受け止めて、県と真摯に話し合うべきです。
沖縄の問題については、橋本元首相、小渕元首相など、歴代の首相は、沖縄の
声に耳を傾け、話し合ってきています。こうした姿勢とは異なり、安倍政権のやり方
は、民意を無視しているとしか思えません。民主主義のあり方、地方自治のあり方
の根幹に関わることだと思います。本土の私たちも、ひとりひとりが真剣に、沖縄
の基地問題を、自分のこととして考える必要があることは、いうまでもありません。