復興庁は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興のために、
2012年2月10日に発足し、10年間と期限を定められています。トップは、
首相で、事務の統括をする補佐として復興相が置かれています。各省庁、
自治体、団体・企業などの出向者など520人が働いています。10年になる2021
年度には、復興庁は廃止されるため、政府は、復興を引き継ぐ新たな組織を立ち
上げる、と報じられています。原発事故による福島県の復興などは、10年では
とてもできず長期にわたるためと、南海トラフ地震など将来の巨大災害に対応する
役割も、新しい組織には担わせることも検討する、ということで、今年夏に閣議
決定する方針です。原発事故があった福島県だけなく、津波被災地の復興事業も
土地のかさ上げや震災弱者などの支援事業などが、2021年3月までには終わら
ないことが、復興庁の検証で判明しました。総額32兆円の復興予算は、復興庁の
廃止とともに原則として使えなくなることなどもあり、政府・与党は、新たな組織を
立ち上げて、2021年4月以降も、国が復興事業に関与し続ける必要がある
いう認識で一致した、とのこと。しかし、大型公共事業を新たに計画するわけでは
ないので、金融庁や消費者庁のような内閣の「外局」として、担当大臣を置く方針、
ということです。国が支援し続けることは、当然のことだと思います。しかし、これ
までの復興事業、それを担った復興庁の役割と各省庁の関係など、また、将来の
巨大災害をどのように含めるのか等、しっかり検証して、あらたな形を、私たちにも
わかりやすく議論して、進めてもらいたいと思います。これまでも、復興庁に、
自らの省庁の権限が奪われるのではないかという警戒感などから、必ずしも
スムーズに運用されていないことがありました。自治体との関係も含めて
しっかり議論して、新しい組織を、効果的に働けるものにしてほしいと思います。