政府の中央防災会議は、一昨日11日の有識者会合で、南海トラフ巨大地震に

 

ついて、東西に長い震源域の半分でマグニチュード(M)8級の地震が起きる

 

「半割れケース」の場合、被害が及んでいない残り半分の沿岸住民にも、政府が

 

一斉避難を呼びかけるとした報告書をまとめました。大地震の連動に備える津波

 

対策で、警戒期間は1週間程度とし、企業の活動を一律に制約することは

 

見送った、と報じられています。過去の半割れケースで、残り半分でも最短32

 

時間後に同規模の地震が記録されていることから、短期間に大地震が続きかね

 

ないことを踏まえたそうです。規模がM7級と一回り小さい「一部割れ」の場合は

 

一斉避難を求めませんが、必要に応じて自主避難を促す。住民が揺れを感じない

 

程度の地殻変動が生じる「ゆっくりすべり」の場合は、地震への備えとして避難

 

場所・経路などの再確認の要請にとどめる。以上のことも報告されました。これ

 

までは、東海地震の予知を前提とした大規模地震対策特別措置法に基づく防災

 

対応を、昨年11月に40年ぶりに政府が見直し、臨時情報が導入されています。

 

地震を予知すると首相が「警戒宣言」を出し、新幹線は運休する、といった内容

 

でした。中央防災会議作業部会の専門家は「警戒宣言では国に判断を委ねて

 

いたが、国民や地域、企業が考え、被害を減らすしかない状況になった」として

 

います。長野県でも、半割れケースの場合、飯田下伊那地方を中心にした南信

 

地方が含まれ、自治体関係者からは、避難所確保などが急務だという声が

 

上がっています。地震の予知が、なかなか難しい中、一定の枠組みが示された

 

ことは、前進だとは思います。ただ、実際には、高齢者、障害者、子ども、外国人

 

などを、どのようなルートで、どのように避難させられるか。避難所をどのように

 

作るか。1週間といっても、その後の危険性も考えて、どのように解除するのか。

 

等々取り組まなければならない課題が、たくさんあります。特に、福祉避難所が、

 

まだまだ少ないので、自治体ごとに具体的な対応が必要だと思います。