翁長前知事の死去に伴う沖縄県知事選が、昨日30日、投開票され、米軍普天間
基地の辺野古移設に反対する、前衆院議員の玉城デ二―氏(58)が、移設を
推進する安倍政権が支援した、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)を破って、
初当選しました。最大の焦点だった辺野古への移設計画に、玉城氏は「反対」を
強張し、翁長氏の遺志を継ぐことを訴えました。これに対して、自民、公明、
維新、希望推薦の佐喜真氏は、「対立から対話へ」をスローガンに、生活支援や
経済復興を全面に押し出し、辺野古移設いついては一切言及しませんでした。
沖縄県民は、翁長氏に続いて、今回も玉城氏を当選させ、辺野古移設にノ―を
突き付けました。政府の移設スケジュールに影響が出るのは必至で、安倍政権
への大きな打撃になった、と報じられています。前回と違い、今回は、安倍政権
は、公明党の応援も受けた総力戦を展開し、幹部が次々に沖縄入りし、全面的に
支援したのに敗れ、3選を果たしたばかりの安倍首相にとっては出ばなをくじ
かれ、誤算だったようです。総裁選で、石破元幹事長に善戦を許したことに
続いての結果で、来年の統一地方選、参院選に暗雲、とも伝えられています。
一方の野党(立憲、国民、共産、社民、自由等)は、政党色を出さずに、玉城氏
とは一緒に演説はせずに、関係団体をまわり、個別に街頭演説をしました。来年
の参院選の1人区での戦い方につながる結果になりそうです。普天間移設問題が
起きてから20年以上経っています。玉城氏は、住民投票などで移設反対を推し
進めたいとしていますが、難しい対応になることは、想像に難くありません。安倍
政権が、このまま沖縄の民意を無視して移設を強行すれば、反発は、なお強く
なり、今後のスムーズな運用も難しくなるでしょう。辺野古ありきではなく、もう一度
話し合ってほしいと思います。