この週末は、母のケア等で東京です。今日は、夕方4時から、成城学園前での
高樹のぶ子さんの「歳時記 夢幻舞台」のトークと青木裕子さんの朗読を聞きに
行ってきました。いつもは、軽井沢の青木さんの朗読館でのイベントに参加して
いますが、今回は、ちょうど東京にいる日で、是非来てほしいと言われていたので
行きました。成城学園前は、よく知っているつもりでしたが、駅の南口から3分ほど
のところにある「アトリエ第Q藝術」には、初めて行きました。日本画家の高山辰雄
さんのアトリエを改装して、明大前で青木さんもよく朗読などをしていたキッド・アイ
ラック・アート・ホールが閉じたあと、そこのチーフディレクターをしていた方が中心
になって、昨年オープンしたアートスペース、ということです。今日は、1階の50人
ほどが入れる部屋でのトークと演奏と朗読でした。高樹のぶ子さんのトークから
始まりました。「歳時記」は、毎日新聞の西日本本部の企画で、新聞の紙面全面で
読み切りの小説を書いてほしいと依頼され、季節ごとの歳時記として書かれた
もの、ということです。今日は、その中から「月の舟」「虫時雨」のふたつの作品を
青木裕子さんが朗読しました。朗読とともに、喜多直毅さんのバイオリン、小沢
章代さんの本来はチェンバロですがピアノ、飯村佳之さんの音響が、何とも
いえない深みを感じさせ、50人で聞くにはもったいないようでした。青木さんは、
私の1年後輩のアナウンサーでしたが、定年後、軽井沢に朗読館を作り、各地で
朗読をしています。「月の舟」の少女の繊細な心の動き、「虫時雨」の認知症で
まもなく死を迎えようとしている老女と、見事な表現でした。この企画は、毎年
9月と3月に2作品ずつ演じる予定とのこと。文化庁の事業?で、毎年、各地の
高校生にも聞かせることになっているが、学校の体育館といった広い空間で、
ここのような音が出せるかが課題、という高樹のぶ子さんの話でした。もともと
日本では、口承で物語が伝えられてきていたので、このように作品を声や音で
伝えていくことには、とても惹かれます。これからも、楽しみです。写真のバックの
絵は、新聞の挿絵になったもので、印象的な画風でした。