兄弟で、若貴ブームを起こし、22回も優勝して、相撲界を盛り上げてきた「平成の

 

大横綱」である貴乃花が、昨日25日、退職届けを日本相撲協会に提出し、相撲界

 

から引退する会見を開きました。今日は、新聞も大きく取り上げ、テレビでも多くの

 

時間をとって報じています。そもそもは、元横綱日馬富士による、当時の貴乃花

 

部屋の力士、貴乃岩への傷害事件を巡っての、協会との対立がありました。

 

貴乃花が、協会の運営に問題があるとして内閣府に告発状を提出しましたが、

 

弟子の暴行事件で、この告発状を取り下げ、一年寄りに降格して、協会の仕事を

 

勤めてきていました。ところが、告発状について、事実無根であったことを認める

 

よう協会から8月に強要された、と貴乃花親方は主張しています。この点に

 

ついて、協会の柴田山広報部長は、昨夜の会見で、そうした事実はないと断言

 

し、食い違っています。また、協会理事会は、親方衆に対して、5つある一門の

 

いずれかに所属するよう決めていて、貴乃花親方が一門に所属して協会に残る

 

には、告発状の内容が事実無根だったと認めるよう迫られた、と貴乃花親方は

 

訴えています。これについても柴田山広報部長は否定していますが、少なくとも

 

貴乃花親方は、そのように理解していて、しかも一門に所属しなければならない

 

件について、聞いたのは今場所の最中と話しているので、これでは、まるで孤立

 

させて、協会から追い出すためのいじめのように感じます。暴行事件以来、協会の

 

体質は前近代的なものだと感じていますし、貴乃花親方も頑なすぎるとは思い

 

ますが、これだけの逸材を、このようなモヤモヤした感じのまま引退させることは、

 

本人だけでなく、協会にとっても不幸なことだと思います。貴乃花親方は、弟子

 

たちについては、このままでは一門に入らないと弟子たちが相撲をとれなくなる

 

ので、「弟子の将来を見据え、断腸の思いです。弟子が土俵で活躍することが

 

最優先」と無念な思いを語っています。貴乃花一門だった千賀の浦部屋所属と

 

するそうです。今後については、「土俵で育てられた。土俵には携わっていき

 

たい。相撲部屋に土俵があるので、存続したい。(弟子に対して)師匠、お父さん、

 

それは一生続く」としています。昨日の会見では、後半には、何とか拙速な決断を

 

翻らせるよう記者たちからの発言が相次いだとのこと。NHKで長年、相撲など

 

スポーツのアナウンサーをしていて、現在は解説委員の刈屋さんの発言が、

 

民法で放送されていました。相撲に詳しい人からも、協会の対応の不寛容さに

 

憤りの声があがっていると伝えられています。協会が、引退届として出された

 

ので、退職届が出されてから対応を協議する、としていることもあり、何とか両者で

 

話し合い、弟子たちの将来もありますし、まだ46歳の貴乃花が、、相撲の世界で

 

力を発揮できる地位を継続できるよう願っています。