夏休み明けが、子どもたちの自殺が一番多いということがわかってきて、この
ところ、それを防ぐ様々な試みが行われています。ひとつは、子どもたちの自殺や
いじめを防ぐために、LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を
使った相談を受け付ける自治体が急速に広がっています。都道府県と政令指定
都市の67自治体のうち、全体の5割にあたる34自治体が実施している、という
調査結果があります。LINEなどの相談は、多くの自治体が、夏休み中や、その
前後の期間を含めて実施している、とのこと。これまでの電話相談から、昨年9月
に長野県が初めてLINEを使った相談を実施し、その後一気に広がりました。
子どもたちの相談へのハードルが下がることが期待されています。一方で、文字
だけの相談には不安を感じるという自治体も多く、また、匿名のため緊急対応が
難しいなどの課題もあります。簡単に相談できるメリットを活かして、課題を解決
していってほしいと思います。また、夏休み明け、学校に行くのつらい、という
子どもたちのために、不登校支援などに取り組む各地の団体が、居場所の開放
を始めた、ということも報じられています。世田谷パブリックシアターでは、
9月2日午後に、中学生向けの無料イベントとして、かつて不登校だった若者が
自らの体験を語るイベント「学校生活はいろいろあるけれど・・・みんなよりちょっと
先輩の話聞いてみない?」が企画されています。青山学院大学の本多記念国際
会議場では、9月8日夕方に「僕たちは学校に行かない」と題したフォーラムが
開かれます。「学校がつらくてもココがあるよ!プロジェクト2018」を展開する
NPO「フリースクール全国ネットワーク」のウェブサイトでは、8月下旬から9月に
かけて居場所を無料で開放したり、電話相談を受け付けたりする全国のフリー
スクールを紹介している、ということです。そのひとつ「東京シューレ」の奥地圭子
さんとは、国会議員をしていた時、フリースクールを支援するための超党派の
議員連盟を作り、学校に行けない子どもたちのための活動をともにしてきました。
奥地さんは、ご自身の息子さんの不登校が、自己防衛のための反応だと気付
いた、と語っておいでです。18歳までの子どもの相談を、子どもの立場に立って
行ってきている「チャイルドライン」は、電話相談の時間を、8月22日~9月4日
まで、通常より長い時間の、午後2時~午後11時までつながるようにしています。
ネットは、8月29日~9月4日まで、午後4時~午後9時までつながるようにして
います。いろいろなツールを使って、現在は相談できる場所も増えてきている
ので、悩んでいる子どもたちには、相談してみるように勧めてください。命をかけて
まで学校に行く必要は、ありません。命があれば、どのようにも生きられると思い
ます。悩んでいる子どもたちに、助けの手が、どのような形であれ、届くようにと
願っています。