東京医科大学(東京都)が、医学部医学科の一般入試で、年度ごとに決めた係数

 

を掛け、女子受験者の得点を一律減点し、女子の合格者数を抑えていたとみら

 

れることが、昨日2日、わかりました。女性は結婚や出産を機に職場を離れる

 

ケースが多いため、女子合格者を全体の3割前後に抑え、系列病院などの医師

 

不足を回避する目的があった、ということです。得点の操作は、2010年に、

 

女子の合格者が全体の4割弱になった後から始まったとみられ、得点にかける

 

係数を2011年から増やした、とのこと。偏差値だと女子は3、4ぐらい違うという

 

指摘もあり、医師になろうと懸命に勉強してきているのに、女性だからと異常に

 

高いハードルを超えることを求められるのは、どう考えても間違っています。この

 

結果、女子の合格率は、2010年は10.2%で男子の8.6%を上回っていました

 

が、翌年以降は女子の合格率が男子を上回ることは一度もなくなりました。東京

 

医大関係者は「長年、女子の合格者を全体の3割以下に抑えようとしていた」と

 

証言しています。文科省は、入試の募集要項に男女比の調整を明記していれば、

 

大学の責任で特定の受験者を優先して合格させることはできるが、東京医大が

 

説明なしで調整していたなら問題で、調査報告を待ちたい、としています。男女

 

雇用均等法をもちだすまでもなく。女子を一律に減点していることは、明らかな

 

女性差別です。女性は結婚や出産で辞めるケースが多いことへの対応をしな

 

ければいけないのに、やっていることが逆のことで、教育機関としての使命を

 

放棄しているとしか思えません。東京医大については、文科省の前局長の息子を

 

不正合格させた事件での調査で、この差別が明らかになったということです。

 

女性医師によると、東京医大だけでなく、他でも似たようなことが行われている、

 

ということで、問題の根は深いと思います。医師の過労が問題になっていて、

 

医師の働き方改革が、ようやく緒についたところです。医師全体の働き方を

 

見直し、その中で、女性医師が、結婚・出産で辞めずにすむような施策を、

 

ひとつずつ実現していくことが大事で、決して、入口で差別するべきでは

 

ありません。