第196通常国会が、昨日閉幕しました。最終日の昨日、民間事業者のカジノ運営

 

を可能にする統合型リゾート(IR)実施法案が、成立しました。立憲民主党、国民

 

民主党など野党5党と衆院会派「無所属の会」が提出した安倍内閣不信任決議案

 

は、昨日20日の衆院本会議で採決され、否決されました。不信任案の趣旨説明

 

に立った立憲民主党の枝野代表は、記録が残る1972年以降、衆院で最長の

 

2時間43分にわたって不信任案の趣旨を説明しました。議事進行を意図的に

 

遅延させるために、議員の発言時間が無制限なことを利用したフィリバスターと

 

呼ばれるやり方です。枝野議員は、もともと弁がたち、国民投票法の採決の時も、

 

内容のある長い説明をしていたことを思い出しました。一強多弱といわれる

 

現在の国会情勢では、こうしたことでしか抵抗できないことは、残念に思います。

 

内容は、説明していたとおりと頷くことが多くありました。9月の自民党総裁選に

 

向けた実績作りともいわれていますが、安倍内閣は、働き方改革関連法、

 

いわゆるカジノ法、参院定数6増の改正公選法などの重要法案を、次々に強行的

 

に採決して成立させました。そえぞれ多くの課題が指摘されている中での成立

 

でした。一方で、森友・加計学園問題など疑惑については、納得できる説明は

 

なく、疑惑を残したままの閉幕となりました。特に、財務省の文書改ざんという、

 

後から検証する根拠をなくし、民主主義の根幹をゆるがす問題について、論点を

 

矮小化し、実効性のある対応がなされなかったことは、大きな問題です。公文書

 

は、法案であれば、その時代の状況や立法の趣旨がわかるように議論の経緯を

 

克明に残す、重みのあるもののはずです。官僚の忖度を、麻生財務相など閣僚が

 

擁護し、国民の疑惑に答えない対応しかとられませんでした。官僚の意識の立て

 

直し、政権の対応のあり方、そして有権者から信任を得て国会議員になった

 

与野党の政治家の責任、様々なことを考えさせられる通常国会でした。ひとつ

 

ひとつのことを、私たちが忘れずに心に刻み、政治を作っていくことだと思います。