相変わらずというか、アメリカのトランプ大統領の言動に、世界が振り回されて

 

いる感じです。トランプ大統領とロシアのプーチン大統領が、16日会談しました。

 

2021年が期限の新戦略兵器削減条約(新START)の延長を含む核軍縮で協力

 

する考えを示した、ということですが、実現に向けた具体的な道筋は示せません

 

でした。そして、問題となったのは、トランプ氏が、2016年の米大統領選に

 

ロシアが介入したという疑惑を全否定するプーチン氏に同調したからです。介入が

 

あったとする米中央情報局(CIA)など配下の情報機関の結論を現職の大統領が

 

支持しない、という異例の事態になりました。プーチン氏が干渉疑惑を否定する

 

と、トランプ氏は「(ロシアが介入したという)根拠はない」と肩を持ち、疑惑捜査

 

自体を「魔女狩りだ」と切り捨てました。これに対して、共和党の重鎮を含めて

 

与野党議員が一斉に批判をしています。さすがに、トランプ氏は発言の修正を

 

迫られ、「ロシア「ではない」理由が見当たらないと言うべきだった」と述べて、

 

16日の記者会見での発言を修正し、二重否定にすべきだったが言い間違えたと

 

苦しい釈明をしています。また、北朝鮮には、譲歩を繰り返していて、これも大きな

 

問題です。トランプ氏は、トップ外交にこだわっていますが、会うことに意味がある

 

だけではなく、実際の成果が求められているのに、具体策が見えません。米朝

 

首脳会談後には、北朝鮮が核・ミサイルを放棄していない段階にもかかわらず、

 

「核の脅威はもやはなくなった」とツイートしています。しかし、非核化をめぐる

 

米朝の作業部会の設置について、北朝鮮が難色を示している、と報じられて

 

います。北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でも、トランプ氏は、NATOの防衛

 

費に対する不満をぶちまけ、脅すようにして加盟各国に負担増を迫りました。

 

結束ではなく、亀裂が鮮明になったと伝えられています。「ディール(取引)」外交

 

を掲げるトランプ氏ですが、パリ協定からの離脱、エルサレム首都認定、イラン

 

核合意の破棄等々、一方的な方針変更によって、多国間の取り決めが崩壊しない

 

ように、独仏英などとともに、日本も努力すべきだと思います。