アメリカと北朝鮮の首脳会談で、朝鮮半島情勢の緊張は緩和してきているのに、

 

陸上配備型「イージス・アショア」が、ほんとうに必要なのか、疑問の声が上がって

 

います。再考してほしいと思います。政府は、ミサイル防衛強化策として、イージス

 

の導入を目指していて、2023年の運用開始を目指しています。小野寺防衛相

 

は、先日22日、配備候補地の山口、秋田両県を訪ね、計画への理解を求め

 

ました。しかし、明らかに国際情勢が変化している中で、山口県の村岡知事は

 

「北朝鮮情勢も変わってきている。納得できる説明を」と求めました。また秋田県

 

では、佐竹知事が「当初は北朝鮮と緊張関係にある中で、どこかが引き受けな

 

ければということで協力もやぶさかでないと思っていた。これまでの運びをみると

 

不安を覚える。深く検討せずに選定したのではないか」と厳しく指摘した、と報じ

 

られています。配備を予定している秋田市の陸上自衛隊新屋演習場は、民家や

 

学校が近く、イージス・アショアが発する電磁波の影響や施設建設に伴う環境

 

悪化への懸念が、住民には根強くある、ということです。また、配備には、巨額の

 

予算が必要です。陸上イージスは、米国製で、本体1基あたり1千億円弱。計

 

2基で2千億円かかります。この額は、海上保安庁の年間予算に匹敵する、との

 

こと。トランプ米大統領から、強く米国製兵器の購入を求められているから、という

 

ことも、安倍政権が防衛力強化を推し進める理由のひとつといわれていますが、

 

ほんとうに必要なのか、予算の使い道としてどうなのか等、情勢も変化している

 

ので、是非、再考してほしいと考えます。一方で、政府は、9県で予定していた弾道

 

ミサイル発射を想定した住民避難訓練を取りやめました。菅官房長官は「日本に

 

いつミサイルが向かってくるか分からないという厳しい状況は緩和された」と

 

記者会見で述べています。整合性がとれません。しかも、改良型迎撃ミサイルは、

 

迎撃実験に2回失敗しています。アメリカの要求に答えるために、効果もはっきり

 

しないものに、巨額の予算を使うのはやめてもらいたいと思います。