学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長が、昨日19日、岡山市の学園本部で
会見し、愛媛県今治市での獣医学部新設を巡って、愛媛県の文書に記載された
2015年2月の安倍首相との面会について「記憶にも記録にもない」と否定
しました。これだけ国会で審議されているのに、加計氏が取材に応じたのは
初めてです。時間が30分弱だったことや、会見の2時間前に、地元の記者だけに
会見の案内をしたこと等、この国会で幕引きを図りたい政権の思惑に合わせて、
形だけの会見を、とにかくやった、ということかと思います。しかも、大阪の地震や
ワールドカップの日本戦などが、ニュースで大きく取り上げられるタイミングを
見計らっての会見のように思えます。そして、首相と会ったという誤った情報を
与えた、として、「自分が言ったのだろう」と県に謝罪した渡辺事務局長と加計氏
自身に、減給処分という軽い処分で、事を済まそうとしています。愛媛県の中村
知事が、加計氏の会見は「もっと早くできた」と批判し、「世間が納得する説明を
することが学園のためにもなる」と指摘しているのは、そのとおりだと思います。
加計氏が、「確認できた範囲で19回」ゴルフや食事などで安倍首相と面会して
いるのに「何十年来の友達で、仕事のことを話すのはやめようというスタンスで
やっている。こちらの話なんかあんまり興味はないと思う。」ということは、納得
できません。2015年3月の学園との打ち合わせを記した県の文書では、加計氏
と首相が面会し、首相が新しい獣医学部を「いいね」と言ったということ。また、
その後資料を提出するように官邸から指示があったこと等、加計氏と安倍首相の
面会が、誤った情報とは思えない事が多くあり、文部科学省などからも同様の
文書が見つかっています。加計氏は、国会招致について「お待ちしております」と
述べているので、このまま幕引きするのではなく、国会で証人喚問をするべきだと
思います。もうこの話は、うんざりだ、という声も聞きますが、政権がお友達ありき
で獣医学部を新設した、とすれば大きな問題ですので、あいまいには終わらせて
ほしくありません。