第71回カンヌ国際映画祭の最終日、19日(日本時間20日)に、長編コンペティ

 

ション部門で、是枝裕和監督(55)の「万引き家族」が、最高賞のパルムドールを

 

受賞しました。暗い話題が多い中で、とてもうれしいことです。日本映画の

 

パルムドールは、1997年の今村昌平監督「うなぎ」以来で、21年ぶり5作目、

 

とのこと。世界3大映画祭での最高賞は、2002年のベルリンで宮崎駿監督「千

 

と千尋の神隠し」が金熊賞をとって以来です。是枝監督は、家族をめぐる愛や社会

 

問題を描いてきています。この「万引き家族」は、13本目の長編劇映画で、

 

ニュースで報道される家族の姿から、「経済的にかなり追い込まれた状況で、

 

万引きや年金を不正に受給することでかろうじて成り立たせている家族。その中

 

で、血縁を超えた関係を描いたら」ということから生まれた、と話しています。審査

 

員からは、「審査員全員が恋に落ちた」と絶賛されています。「万引き家族」には、

 

リリー・フランキーさんや安藤サクラさんなどが出演していますが、子役の小学

 

6年生11歳の城桧吏さんにも、世界から注目が集まっている、ということです。

 

是枝監督は、作品が素晴らしいのはもちろん、子役を育てる才能もお持ちだと

 

思います。カンヌ国際映画祭で2004年に「誰も知らない」で、当時14歳の柳楽

 

優也さんが、この映画祭史上最年少で日本人初の男優賞を受賞しています。

 

また、2013年には、出生時に取り違えを題材にした「そして父になる」で、

 

審査員賞を受賞しています。まもなく公開される「万引き家族」が楽しみです。

 

是枝監督は、まだ55歳ですから、これからも、素晴らしい作品を期待しています。