学校法人加計学園の獣医学部新設を巡って、衆参両院の予算委員会は、昨日
１０日、柳瀬唯夫元首相秘書官を参考人招致しました。柳瀬氏は、２０１５年に
３回、首相官邸で加計学園関係者と面会したことを明らかにしました。２０１５年
４月の面会内容をまとめた愛媛県の文書で「首相案件」と言ったという発言に
ついては、「総理が「早急に検討していく」と述べている案件だと紹介したと思うが、
伝えたかった趣旨とは違う」と否定しました。このことについて、中村愛媛県知事
は、「県の信頼を損ねるような発言があったのは、非常に残念」「担当（職員）は
一言一句漏らさずに報告したいという気持ちがあり、ありのままに書いたと言って
いる」と反論しました。当然の反論だと思います。また、柳瀬氏は、面会は自身の
判断で、安倍首相への報告や首相からの指示はなかった、としています。こうした
柳瀬氏の発言を信じることは難しいと思います。首相秘書官には、簡単に会うこと
はできません。首相別荘のバーベキューパーティーでで初めて加計孝太郎理事長
などと知り合い、ゴルフを共にした、とのこと。安倍首相の友人だから、加計学園と
だけ３回も会い、獣医学部について他の人とは会っていないということは、「加計
ありき」だったことを物語っている、と思います。また、首相秘書官は、首相と一心
同体といわれ、首相の友人にからむ案件で面会しているのに、全く報告していない
ということは、信じられません。報告していないとすれば、職務怠慢であり、そんな
ことはあり得ないと思います。安倍首相が、２０１７年１月に加計学園が選ばれた
時に初めて知った、と答弁していることと整合性を持たせるための答弁だと
思われます。政府与党は、これで幕引きにしたいようですが、このように疑念が
かえって深まった状態で終わり、とはいきません。さらに証人喚問などが必要だと
考えます。