通常国会は、昨日8日、立憲民主党など野党が審議に復帰し、19日ぶりに正常
化しました。巨大与党に対抗するためには審議拒否は、ひとつの手段だと思い
ますが、これからの日本社会にとって重要な「働き方改革」法案などを、与党だけ
で審議しているのを見ていると、やりきれない思いでした。学校法人加計学園の
獣医学部新設を巡って、柳瀬元首相秘書官(現在は経済産業省審議官)が、明日
10日、国会に参考人招致されます。調整した結果、県の担当者には会った記憶
はないが加計学園の関係者には会っていた、というのは納得できないものです
が、証人喚問ではなくても、本人が話しているとおり誠実に答えて、全容解明に
近づけてほしいと思います。答弁によっては、これまでの安倍首相の説明が妥当
であったかも問われます。昨日の本会議では、アメリカ抜きの11ヶ国による環
太平洋経済連携協定(TPP)の関連法案が審議入りしました。安倍政権が今の
国会の最重要法案とする働き方改革法案について、与党は月内の衆院通過を
目指して審議を加速させたいとしていますが、しっかり時間を取った審議を望み
ます。与野党は、昨日の衆院厚生労働委員会の理事懇談会で、法案の質疑を
今日実施する日程で合意しました。立憲民主党とできたばかりの国民民主党は、
それぞれ対案を提出しました。対案の趣旨説明をして、政府案とともに一括して
審議すると与野党が確認し、今日は全7時間が野党に割り当てられました。立憲
の対案は、残業時間の上限を「月80時間未満、2~6ヶ月平均で60時間以内」
と規定していて、政府案の「月100時間未満、2~6ヶ月平均で80時間以内」
より厳しくしています。就業時刻から次の始業までに一定の休息時間を置く「勤務
間インターバル」も新たに義務化しています。国民の対案は、新党結党前の
民進党と希望の党の合同会議で検討してきた内容です。長時間労働や対象
職種以外への違法適用が問題になっている裁量労働制の手続きを厳格化し、
違反企業は一定期間、裁量制の利用を禁止することにしています。両党とも、
残業代ゼロ法案ともいわれる「高度プロフェショナル制度」に反対する方針では
一致しています。是非、両党をはじめ、多くの野党が協力し、働かせ改革ではなく、
真に労働者のためになる働き方改革にしてほしいと思います。政府案と両党の
対案を腰を据えて、しっかり議論してほしいので、数の力でごり押しすることは、
許されません。