今日3日、日本国憲法は、1947年の施行から71年になりました。安倍首相は、
2020年の改正憲法施行を目指し、今年中の改憲発議をねらっていましたが、
森友・加計問題、自衛隊の日報隠ぺい問題など不祥事が相次ぎ、国会は停滞して
いる状態で、世論調査などをみても国民の間でも、すぐに改憲をという意見は少数
です。それでも、改憲に賛成する勢力が、発議に必要な国会議員の3分の2を
超えているので、改憲は現実のものとなっています。憲法について多くの人がよく
知り、議論を重ね、慎重に運ぶことが必要だと思います。自民党は、3月に、①
9条への自衛隊明記 ②教育充実 ③緊急事態条項の新設 ④参院選「合区」
解消 の条文案を策定しています。党内では、国会論議をして憲法改正原案を
決定し、秋の臨時国会で発議する日程が有力視されていました。しかし、不祥事
の連続よって、衆参両院の憲法審査会は開かれていません。各党に条文案
を提示さえできていない状態です。与党の公明党は、公選法に合わせた国民
投票法の手直しを優先させるよう主張していると伝えられ、一貫して慎重姿勢
です。各党の談話が報じられています。自民党は、条文案をもとに憲法改正原案
を策定し、発議を目指す。立憲民主党は、国民の権利拡大に寄与するとの観点
から憲法論議を深める。公明党は、必要な規定を加える「加憲」を主張。希望の党
は、地方自治のあり方や解散権の制約などを優先的に、未来志向の憲法を構想
する議論を主導する。民進党は、立憲主義と憲法の三大理念を守り、地方分権、
新しい人権の保障などを積極的に議論していく。共産党は、変えるべきは憲法
ではなく、憲法をないがしろにした政治だ。安倍改憲の企てを打ち破る。日本
維新の会は、教育の無償化、統治機構改革などについて文案を提示している。
発議と国民投票の実施に向け、各党と真摯な協議を行う。自由党は、立憲主義、
民主主義の崩壊を止めるために全力を尽くす。社民党は、変えるべきは憲法では
ない。野党が分裂し、多くの党になっていますが、それぞれの主張を、しっかり見て
いきたいと思います。憲法は縁遠いという人も多い中で、各地で勉強会などが
開かれています。私の知人も、無関心な人に関心を持ってもらいたいと、「憲法
カフェ」を開き、子育て世代の女性などが多く集まっている、とのこと。各地で様々
な集会や勉強会が開かれているので、関心を高めるために参加者が増えれば
よいと思っています。憲法記念日を前に行った朝日新聞の世論調査では、政策
優先度のうち、憲法改正は最下位でした。景気・雇用、高齢者向けの社会福祉、
教育・子育て支援などの優先度が高く、財政再建、震災復興、安全保障、外交、
原子力発電・エネルギーの順で、最下位が憲法改正でした。こうした国民の思い
を把握して、慎重に、まずは国会で熟議をしてほしいものです。