先日、ちょうど南北朝鮮の会談が行われた日に、財務省でのセクハラ問題で、
福田次官の処分が発表されました。南北会談が大きく扱われるので、なるべく
目立たないタイミングで処分を発表したとしか思えず、このような姑息なやり方は
納得できません。財務省は、女性記者へのセクハラが報じられ事務次官を辞任
した福田氏について、セクハラ行為があったと認定し、6ヶ月の減給20%の懲戒
処分に相当すると発表しました。福田氏はセクハラを依然として否認しています
が、女性社員の被害を訴えたテレビ朝日側の主張を覆すだけの反証が示されて
いないと判断しました。減給分の141万円を差し引いた上で、退職金5178万円
を支払う、と報じられています。矢野官房長が記者会見をして「誠に遺憾で関係者
に深くおわびする」と陳謝しました。また、「これ以上の事実解明は難しい」として
調査終了を表明しました。本人がセクハラを認めていないのに調査を終え、他にも
被害者がいるのではといわれているのに、これ以上調査しない、ということでは、
財務省の再生はできないと思います。また、たった141万円を差し引いただけで、
5千万円を超える退職金を支払うことにも、世論の反発は免れないと思います。
テレビ朝日は、「再発防止のためにも引き続き詳細な調査を要請するとともに、
福田前次官本人の謝罪を求めます」というコメントを発表しました。その通りだと
思います。セクハラについては、TOKIOの山口氏の女子高校生へのセクハラが
大きく報じられ、テレビのワイドショーなども、それでもちきりです。もちろん、この
セクハラ事件は、許されるものではありません。一方で、テレビで、あるコメンテー
ターが話していましたが、政権側が福田氏のセクハラ事件を覆い隠すために
大きく取り上げさせているのでは、と話していました。メディアが、政権、官邸の
顔色を伺い、ジャーナリズムとしての使命を果たしていないと思われることが
結構あるので、こういう発言が生まれるのかと、聞いていました。福田前次官の
セクハラ事件について、多くの人が怒っているのは、もちろん福田氏の認めない
対応がありますが、それに加えて、事件直後からの財務省の、あまりにセクハラ
によって被害を受けた女性の気持ちを考えない無神経な対応が続いたからです。
エリート中のエリートといわれる財務官僚が、世間の常識であるセクハラへの対応
ができなかったのですから、徹底的に調査をして、意識改革をすることを望み
ます。多くの人が、セクハラについて考え、自分は何ができるかを考えるきっかけ
に、せめてこの事件がなればと思います。