北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、20日、核実験と大陸間弾道ミサイル

 

(ICBM)の試射を、21日から中止し、ハムギョンブクトブンゲリの核実験場を廃棄

 

する、と宣言しました。これは、朝鮮中央通信が、昨日21日、党中央委員会総会

 

での金正恩氏の報告として伝えたものです。総会では、核兵器や運搬手段として

 

のミサイルが完成したことを確認し、過去6回の核実験で「核開発を終えた」と宣言

 

した、と報じられています。朝鮮労働党が採択した決定書の骨子は、○4月21日

 

から核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射を中止 ○北部核実験場を廃棄

 

○核の威嚇や挑発がない限り、核兵器を使用しなし ○核兵器・技術を移転

 

しない ○国際社会との対話を積極化 というものです。トランプ大統領は、

 

「大きな前進だ」と歓迎しました。米朝首脳会談を有利に運ぶ環境整備の狙いが

 

あるとみられていて、現在持っている核兵器の放棄といった「非核化」の道筋には

 

具体的には触れていません。金正恩氏が、アメリカから有利な条件を引き出す

 

ために、先手を打った形、とされています。アメリカ国内でも、明るい兆候だが、

 

劇的な変化ではない、非核化に言及していないので容易に元に戻せる、という

 

見方があることも伝えらえています。確かに北朝鮮が方針を大きく転換したことを

 

宣言したのは、明るい話だと思います。しかし、非核化ではなく、もっている核・

 

ミサイルは温存、ということなので、これから行われる韓国の文大統領との会談、

 

米韓首脳会談などで、しっかり詰めていってほしいと思います。日本も、北朝鮮が

 

対話路線を本気で進める姿勢なので、拉致問題の解決をはじめとした課題を

 

解決するために、北朝鮮との関係の正常化に向けて、努力すべきだと考えます。