ふるさと納税は、高額になりすぎた返礼品が問題になっていますが、いろいろ工夫
する自治体が出てきていて、よいことだと思います。たとえば、ふるさと納税の
返礼品に、実家に住む両親に対する見守りなどの「親孝行サービス」を加える
自治体が、全国で増えている、と報じられています。例えば、私が住んでいる長野
県では、諏訪市、伊那市など5市町が見守りサービスを導入していて、上伊那郡
辰野町も、近く返礼品に加える予定、とのこと。諏訪、伊那、中野市、上伊那郡
箕輪町、飯島町で、いずれも日本郵便の「郵便局のみまもりサービス」を採用して
います。「訪問」は、高齢者のお宅を郵便局員が月1回訪ね、体調や食事、睡眠、
運動などの状況を聞いて家族に伝達します。「電話」は、毎日同じ時間帯に自動
音声の電話がかかり、回答を家族に知らせます。諏訪市では、「訪問」による
見守りについて、寄付額6万円以上で半年分(6回)、12万円以上で1年分(12
回)を返礼品として用意しています。昨年の総務省の家電や家具などを返礼品
として送らないようにという通知を受けて、体験型やサービス型の返礼品を募った
ところ、日本郵便から提案があったそうです。伊那市は、墓の周りの清掃、墓石
の水拭きなどの墓地の見守りや、空き家の管理などのサービスも取り入れ、故郷
とのつながりを保ってもらおうとしています。ふるさと納税の大手仲介サイト
「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京)によると、このサイトで紹介する
返礼品のうち、「見守り」「親孝行」という言葉が含まれる件数は、今月初め現在で
全国で約120件ある、ということです。この他、子どものためのサービスを始めた
自治体もあると聞いています。故郷のために、という本来のふるさと納税の趣旨を
いかす工夫が増えるとよいと思います。