安倍首相は、18日(日本時間19日)、アメリカのフロリダ州パームビーチで、

 

トランプ大統領と2日目の会談を行いました。日米首脳会談は、今回で6回目です

 

が、大統領の米朝会談開催の決断を受けて、首相が申し入れたものです。1日目

 

の北朝鮮情勢を巡っての会談では、両首脳は、核・ミサイル開発の放棄を目指し

 

最大限の圧力を維持する、と従来の方針を確認しました。拉致問題を取り上げる

 

ことも合意したようですが、うまくいかなければ会談を中止すると話している

 

トランプ大統領が、交渉の流れの中で、ほんとうに取り上げるかは不透明です。

 

2日目の貿易協議では、両国の違いが明らかになりました。日米貿易のあり方

 

について、安倍首相は「2国間の自由貿易協定(FTA)は念頭になく、環太平洋

 

連携協定(TPP)が最善だ」と伝え、アメリカの復帰を促しました。しかし、会談後

 

の共同記者会見で、トランプ大統領は、対日貿易赤字の是正のため「1対1の

 

交渉を望む」と表明しました。2国間の協議に応じれば、鉄鋼関税を除外すると

 

いうカードを持っていて、日本側は終始、守勢に立たされている、と報道されて

 

います。トランプ氏にとっては、一番にかけつけたお友達の関係よりも、ディール

 

(取引)の方が大事、ということかと思います。米韓の自由貿易協定でも、鉄鋼

 

関税の除外をちらつかせて、世界貿易機関(WTO)のルールを逸脱する輸出規制

 

を韓国に飲ませたということで、いくら同盟国でも高いレベルの要求をしてくる、と

 

いわれています。今回の会談で、通商問題などを協議する新たな閣僚級の枠組み

 

の設置が決まりました。日本は、70年代以降、二国間交渉を迫られ、繊維製品

 

や自動車などで輸出の自主規制などの譲歩をのまされ、各業界は、その再来を

 

警戒している、とのこと。国内での森友・加計問題などを払しょくする局面転換を

 

図る思惑が、今回の日米首脳会談に安倍首相にはあったとされていますが、

 

その間に財務次官のセクハラ問題も起き、首相にとっては、誤算だったのでは

 

ないでしょうか。アメリカ一辺倒の日本の外交だけでは危うすぎると思います。

 

仲良しのトランプ氏とゴルフをいくらしても、解決しないこともあるのは当然で、

 

ヨーロッパや中国、韓国などアジアの国々とも、新たな外交戦略を練ることが

 

必要だと思います。