米英仏3ヶ国は、シリア時間の14日、ダマスカス近郊や中部ホムスの化学兵器

 

関連施設の計3ヶ所を、巡航ミサイル「トマホーク」などで、限定的に爆撃しました。

 

トランプ大統領は、米東部時間13日に、国民向けに演説し、シリアのアサド政権

 

がダマスカス近郊の東グータ地区で化学兵器を使い、市民を殺傷したと断定し、

 

報復攻撃を命令したと説明した、と報じられています。トランプ氏はツイッターで

 

「完璧に遂行された。任務は完了だ。」と強調しています。アサド政権が化学兵器

 

を使用したであろう被害が、子どもを含めて多くの人に出ていることは、映像でも

 

報じられていて、これは許せないことです。しかし、3ヶ国で爆撃をして、その後、

 

どのように和平を進めるのか具体的なプランもないままの爆撃では、ロシアの

 

反感を買い、和平がさらに遠のくことを心配します。それでも限定的な爆撃に

 

留まったのは、アメリカのマティス国防長官の意見による、とのこと。今回の爆撃

 

は、国連安保理の決議もなしに行われました。国連安保理は、この3ヶ国による

 

軍事攻撃を受けて、緊急会合を開きました。アメリカが、今回の攻撃は化学兵器

 

の使用を許さないというメッセージだと強調したのに対して、アサド政権の後ろ盾

 

のロシアは、攻撃は国際法違反だとして非難する決議案を提出しましたが、非難

 

決議は否決されました。安保理が、拒否権の応酬で機能していないように思い

 

ますが、誰が化学兵器を使用したかを特定するための独立した調査機関を設置

 

できるかどうか、停戦に向けた政治プロセスを後押ししていけるかどうかが焦点

 

といわれています。シリアだけでなく、朝鮮半島、ウクライナ、イランなど多くの地域

 

で、米ロの緊張関係が強まっています。安倍総理は、今回の武力行使に「理解」を

 

示しましたが、アメリカのあとをついて行くだけでなく、今週予定されている日米

 

首脳会談などで、和平に向けての国連の働きなどを推し進める考えを示して

 

もらいたいと思います。