先日もとりあげた、前川前文部科学事務次官が、名古屋市立中の授業で講演した

 

内容の報告を市教育委員会に求めた件ですが、やはり自民党文部科学部会の

 

部会長の赤池参院議員と部会長代理の池田衆院議員が、文科省に前川氏が

 

招かれた経緯などを複数回照会していた、と20日に林文科相が明らかにしま

 

した。池田氏には、市教委への質問項目を事前に示し、意見を聴いて15項目の

 

質問のうち2項目に修正を加えていた、と報じられています。教育基本法が定める

 

「教育権の独立」が、政治の介入で侵されたという指摘もあり、教育行政への信頼

 

が大きく揺らいでいます。赤池氏と池田氏は、自民党文部科学部会の会長と会長

 

代理であることから、法案や予算について事前に意見を求める必要があるなど、

 

役所として重要な存在で、無視できない、といわれています。この件について、

 

文科省は、学習指導等に指導助言ができる、地方教育行政法に基づいて、問題

 

ないと主張しています。しかし、教育基本法は、教育が「不当な支配に服すること

 

なく」と定めていて、個別の学習内容に国は口を出さないことが常識です。

 

この2人の議員は、安倍首相の出身派閥に属し、国を愛する教育などを主張して

 

います。政治が介入していた、ということを聴いて、やはりそうかと思いました。

 

文部科学省の官僚が、自ら教育基本法に抵触するおそれがあることをすることは

 

ないと思いますから。いくらその分野で力を持つ政治家からの要求でも、教育の

 

独立を守るために、身を呈してでも、反論するのが、あるべき姿ではないでしょう

 

か。文部科学省に限らず、財務省、国交省、厚生労働省など、多くの省庁で、

 

官僚の、どちらを向いて仕事をしているのかわからない言動が続いています。

 

公僕とされ、国民を向いて仕事をするのが官僚という姿に戻るには、政官あげて

 

の取り組み、それをチェックする国民、その代表の国会の役割が重要だと思い

 

ます。