昨日9日、森友問題の中心人物の一人として、国会で再三、証人喚問を求められ
ていた、佐川国税庁長官が辞任しました。学校法人森友学園への国有地売却
問題で、行政文書への信頼を損ねたなどとして、麻生財務大臣は、9日、佐川
長官(前財務省理財局長)を処分し、佐川氏が、同日付で辞任する、と発表
しました。佐川氏は、昨夜、記者との一問一答で、辞任した理由として、国会対応
に丁寧さを欠き審議に混乱を招いたこと、行政文書の管理に様々な指摘を受けた
こと、決裁文書の国会提出時の担当局長であったこと、をあげています。佐川氏
は、国会で連日、取引は「適正だった」と繰り返し答弁し、国税庁長官に就任しても
恒例の会見もせず黙り通していたので、辞任は当然だと思います。ただ、これだけ
では問題は、全く解決されていません。複数の文言が消えているという決裁文書
については、週明けに調査結果を明らかにする、とされていますが、この問題も、
そもそもなぜ大幅な値引きが行われたのかも、全く解明されていません。
今回の佐川長官の突然の辞任のかげには、森友学園の国有地売却問題を
巡って、財務省近畿財務局の担当部署で対応に当たった男性職員が、7日、
神戸市の自宅で首をつり、搬送先の病院で死亡していたことが9日明らかに
なったことがあるのではないかと言われています。遺書もあり、兵庫県警は
自とを判断しています。このような犠牲者が出たことは気の毒ですし、犠牲者が
出ないと物事が動かないというのは困ったことだと思います。佐川氏の辞任で、
幕引きということは、許されません。麻生財務大臣は、この件についての会見で
相変わらず、佐川氏は適任だったし、辞めるのは残念だ、本人の意思だ、などと
述べています。佐川氏の去就だけでなく、政権のあり方そのものが問われている
のだと思います。徹底的な事実解明と、納得できる説明責任が果たされるべき
です。官僚の辞任ですませるのではなく、政治家も責任をとる問題ではない
でしょうか。