アメリカのフロリダ州で、銃撃されて17人が犠牲になった事件の後、高校生など
若者が、銃規制に向けて声を上げています。事件から1週間経った21日には、州
全体から州都タラハシに、若者がバスで続々到着し、州議事堂を数千人が取り
囲んだ、と報じられています。銃撃の際に、クローゼットに4時間身を潜めていた
男子生徒も怒りの声でマイクを握りました。トランプ大統領は事件後「祈りと哀悼を
犠牲者の家族に捧げる」とツイッターで発信しましたが、若者からは「もう十分に
祈ってもらった。君たちを支えるとも聞いた。でも本気ではないと知っている。
本当に私たちを守るのであれば、とっくの昔に銃規制は厳しくなったいたはずだ」
などの批判も噴出しました。抗議の呼びかけは、ソーシャルメディアで広がり、デモ
は東部メーン州や中西部イリノイ州シカゴ、西部ワシントン州などでも実施され
ました。授業中のデモ参加を事実上黙認した学校も多く、フロリダ州の学校では
数千人が参加した、ということです。これに対して、フロリダ州のスコット知事は、
23日、銃購入の最低年齢を18歳から21歳に引き上げるほか、半自動小銃を
連射できるようにする改造装置の販売禁止などをめざす行動計画案を示し
ました。州議会との交渉に入るそうで、生徒たちの運動に押され、地元の政治が
少しずつ動き出しています。銃規制が進まない背景には、豊富な資金と政治力を
持つ全米ライフル協会の存在があります。トランプ大統領が言いだして、批判も
出ている、「教員に銃を持たせる」という案も、全米ライフル協会の主張だ、と
いわれています。多くの州知事が、その案に反対している、と伝えられています。
CNNテレビは、25日、最新の世論調査で、銃規制強化に賛成する回答が70%
に上ったと発表しました。反対は27%でした。乱射事件が世論を動かし、過去
最高レベルになりました。開拓時代とは違うのですから、銃規制に反対している
共和党の議員たちも、是非、有権者の意見に耳を傾けてほしいと思います。