昨日は、上田で、水上勉さんの息子で作家の窪島誠一郎さんが主催される

 

22歳で亡くなった画家で作家でもある村山槐多を偲ぶ、第39回「槐多忌」に、

 

対談したいので連れて来てほしいといわれた、社会学者の古市憲寿さんを

 

アテンドして、行ってきました。窪島さんは、上田で戦没画学生の絵画を集めた

 

「無言館」を運営されているので有名ですが、村山槐多の絵画などは、その近く

 

にある「信濃デッサン館」にあります。槐多忌の前に、今朝の信濃毎日新聞などで

 

記事になっていますが、先日20日に亡くなった俳人の金子兜太さんが揮ごう

 

された、戦時下に弾圧された俳人たちを顕彰する「俳句弾圧不忘の碑」の除幕式

 

が行われました。金子さんは、必ず行くといわれていたということで、窪島さんは

 

車いすのための準備もしていたのに、と残念がられていました。槐多忌は、3年前

 

に、窪島さんと親しい軽井沢図書館長の青木裕子さんに誘われて行ったことが

 

あります。その時は、ゴリラのことでも有名な山際寿一京都大学総長との対談が

 

おもしろかったと記憶しています。33歳の古市さんとは、ずいぶん年の差があり

 

ますが、窪島さんが是非と言われて、昨年夏の中軽井沢図書館の夏まつりでも

 

対談をしていただきました。今回も、忙しいだろうけれど聞いてみてと頼まれ、古市

 

さんに連絡したところ、行くと返事をもらったので、東京からの新幹線に、私も

 

軽井沢から乗り、駅からタクシーで同行しました。軽井沢の近くなら自分で運転

 

して行くのですが、デッサン館には何回かしか行ったことがなく、もし雪で凍って

 

いたりすると人を乗せるのは、何かがあると困るので、タクシーにしました。昨日の

 

槐多忌は、デッサン館近くの村営ホールで、初めに歌人の福島泰樹さんとピアノの

 

永畑雅人さん(永畑道子さんの御子息)による、槐多の歌などの絶叫コンサートが

 

1時間ほどあり、その後、「死について」というテーマで、古市さんと窪島さんの

 

対談が1時間半ほどありました。夭折した画家の絵画などを集められている窪島

 

さんの死への憧れ?や年を重ねて死は恐くない身近なものになったという話や、

 

古市さんのよみがえりを信じたいと思っていたが半年前のお祖母さんの死でそれ

 

はないと思ったことや、社会学者としてクールに俯瞰してものを見ている姿勢など

 

が、よい化学反応を起こして、あっという間の1時間半でした。窪島さんは、相性が

 

よいと、いくらでも話がはずむが、あの阿川佐和子さんとは短い時間しか続かな

 

かった、とも話されていました。2回対談ができてよかった、もう次はないと思うなど

 

と窪島さんが言われたので、またいつでも調整しますよ、と約束してきました。帰り

 

もタクシーで駅まで同行し、春節最後の日曜日ということもあるのか、かなり混雑

 

している新幹線で帰りました。古市さんは、今日から海外ということなのに、忙しい

 

中、上田まで来て、興味深い対談をしてくださって感謝しています。