アメリカ南部フロリダ州パークランドの高校で、14日午後2時半(日本時間15日
午前4時半)頃、男が銃を乱射し、警察によると17人が死亡、5人が重体となり
ました。また十数人が負傷している、と報じられています。男は、在学中に、他の
生徒を脅迫したり、火災報知器を鳴らすいたずらや、窓ガラスをけって割るなどの
問題行動を繰り返し、退学処分となっていた、ニコラス・クルーズ容疑者(19)で、
警察に拘束されました。殺傷力の高いライフル銃のほか、発煙弾、ガスマスクなど
も持っていて、計画的に大量殺傷を図ったと、捜査当局はみています。アメリカの
学校での発砲事件は、今年に入ってすでに18件目で、2013年以降、犠牲者が
出なかった事件も含めて290件も起きている、ということです。2012年には、
小学校で児童など26人が殺害される事件が東部のコネティカット州で、また
昨年10月には西部のラスベガスで58人が死亡する米史上最悪の乱射事件が
起きています。フロリダ州では、2016年にも、49人が犠牲になる乱射事件が
起きていますが、スコット知事は「警察が今回の事件を徹底的に調べる。将来
どうするかはその後決めることだ」と答えています。銃規制の機運が盛り上がら
ないのは、なぜなのでしょうか。19歳で、軍の銃を模して民間用に改良した殺傷
能力の高い武器、AR15型ライフルを持てるのは、おかしいと日本から見ると
思えますが。トランプ大統領は、ツイッターで犠牲者の家族に哀悼の意を表し
「学校で子どもも教師も二度と危険を感じるべきではない」と述べましたが、
銃規制を訴えたオバマ前大統領とは異なり、銃規制には触れませんでした。
政治的に強い影響力を持つ全米ライフル協会(NRA)の反対などで銃規制が
進まない中、学校での事件を防ぐ有効な手立てが見つからないのが現状、との
こと。アメリカでは、合衆国憲法修正第2条に「国民が武器を保有し携行する
権利は侵してはならない」とされています。自衛のための所持は権利として社会に
浸透していて、3億2千万人の人口に対して、2億7千万丁の銃があるそうです。
銃規制は、11月の中間選挙の争点のひとつになるとみられていますが、子ども
たちを守るためにも、どのような規制が必要か、しっかり議論してもらいたいと
思います。