インターネット上の決済手段として注目される仮想通貨の取引所で、580億円

 

もの顧客資産流出が起きました。仮想通貨取引所の運営大手コインチェックは、

 

26日に、取り扱っている仮想通貨の一種「NEM(ネム)」が、不正アクセスで

 

外部に流出した、と発表しました。この被害額は、2014年にマウントゴックスが

 

明らかにした約480億円を超え、過去最大規模になる、と報じられています。仮想

 

通貨の投機で価格が急騰する中、売買を仲介する取引所が業務を拡大し、資産

 

管理がおろそかになり、不正アクセスされたとみられています。仮想通貨の入出金

 

や売買など大半のサービスを停止し、復旧のめどはたっていず、仮想通貨市場も

 

一時急落しました。コインチェックは、国内大手の仮想通貨取引所を運営する企業

 

で、2012年に設立され、ネムやビットコイン、イーサリアムなど13種類の仮想

 

通貨を扱っている、とのこと。仮想通貨には詳しくありませんが、新聞の解説に

 

よると、財産的な価値のある電子データで、インターネット上の取引や送金に

 

利用できる。1500種類程度あるとされ、全体の時価総額は、最近では合計で

 

約5千億ドル(約55兆円)を上回っている、とあります。ネムは、コインチェックを

 

はじめ数ヶ所の仮想通貨取引所で扱っていて、近年は価格が急騰し、1年間で

 

200倍以上になった、とのこと。流出の原因は、外部からの不正アクセスで、

 

取引所はサイバー攻撃を避けるため、送金に使う分を除き、ネットから遮断する

 

のが一般的ですが、コインチェックはネムをすべてネット接続していて、安全管理

 

に不備があった、ということです。コインチェックは、昨日28日、被害を受けた

 

ネムの保有者約26万人全員に、日本円で総額約460億円を返金する、と発表

 

しました。流出したネムは値下がりしたため、返済額が少なくなった、として

 

います。安全が確認できるまでは、取引や入出金は再開できず、返金の時期も

 

明らかにできない、としています。こんなに仮装通過が普及していることに、驚き

 

ました。急発展したため、利用者保護が遅れていると思います。金融庁は、週内

 

にも、改正資金決済法に基づく業務改善命令を出す方針です。仮想通貨は、

 

2009年ごろに使われ始め、ITに詳しい人が一部で使っていましたが、最近は

 

一変して、将来の決済手段としての期待から投機的な買いが入っているそうです。

 

金融庁は、昨年春に世界で初めて仮想通貨取引所の登録制を導入しましたが、

 

仮想通貨技術に将来性を認め、登録前でも改善を促しながら営業を「みなし業者」

 

として認めました。それが、今回、裏目に出たとされています。海外では、規制

 

強化に舵を切っていて、中国は、昨年秋、国内の全ての取引所の閉鎖を決定

 

しています。独仏は、3月の主要20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁

 

会議で、国際規制を提案予定、とのこと。いくら将来有望な技術といっても、利用

 

者が被害を受けているわけですから、日本も法整備を含めて、もっと規制を強化

 

する必要があると思います。