第196通常国会が、22日召集され、同日、安倍首相は、施政方針演説を行い
ました。「各党が、憲法の具体的な案を国会に持ち寄り、憲法審査会で議論を深め
前に進めて行くことを期待する」と述べ、憲法改正に改めて意欲を示しましたが、
改正項目や日程などの具体論は避けました。また、この国会の焦点といわれる
「働き方改革」を訴え、同一労働同一賃金の実現により、「非正規という言葉を
この国から一掃する」と述べましたが、今考えられている同一労働同一賃金で、
企業側が真剣に非正規をなくしていくとは、思われません。是非、実現してほしい
と思ってはいますが。安倍首相は、働き方改革の良い面ばかりを強調しています
が、専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」の創設は、
長時間労働を助長すると懸念されているなど、課題がたくさんあるのに、法案を
1本にまとめて提出する、という政府与党がやりやすい方法しか考えられていない
と思います。昨日24日から代表質問が行われています。9条改憲については、
立憲民主党だけでなく、希望の党も反発しています。働き方改革は、働かせ方
改革になりかねず、残業代ゼロ法案などで、対立が鮮明になっています。また、
学校法人森友学園への国有地売却問題を巡って、財務省理財局長として売却は
適正だったと答弁してきた佐川氏を国税庁長官に昇格させた人事について「適材
適所の考えに基づき行った」と、安倍首相は改めて述べ、野党の更迭要求を、
あっさりと拒否しました。一時は封印していた野党批判も、首相は復活させ、かみ
合わない議論に、もの足りなさを感じるのは、私だけではないと思います。一方
通行の代表質問の後、予算委員会で本格的な議論が行われることを期待します。
バラバラになった野党は、政策については、共闘をして、実りある審議をして
ほしいと思います。