将棋の羽生善治棋聖(47)が、昨日5日、通算7期目の竜王を獲得し、「永世

 

竜王」の資格を獲得して、永世称号制度のある7つのタイトル(竜王、名人、王位、

 

王座、棋王、王将、棋聖)全てを手にする「永世7冠」を史上初めて達成しました。

 

羽生さんは、第30期竜王戦7番勝負で、これまで2008年、2010年の竜王戦で

 

いずれも敗れていた渡辺明竜王(38)を破り、対戦成績4勝1敗で、15期ぶりに

 

竜王を獲得し、現在は、棋聖と合わせて2冠になりました。多くの将棋関係者が

 

驚く偉業と伝えられています。将棋のプロがしのぎを削る対戦で、ひとつのタイトル

 

を獲得するのも大変なことは想像できます。永世称号を得るには、それぞれ、名人

 

は通算5期、竜王は通算7期、王位・王座・棋王は連続5期、王将は通算10期、

 

棋聖は通算5期が条件、とのこと。それを、40歳を過ぎると視力などから勝つこと

 

が難しくなってくるといわれる中で、47歳で達成したのですから、すごいことだと

 

思います。将棋界のトップリーダーとして、走り続けてきた羽生さんは、切り替えが

 

早く、常に新しいものを求めて勉強し、多様な攻めを持ち味としてきました。最近

 

は、AIも駆使した若手の台頭で、ここ2、3年で将棋の内容が大きく変わってきた、

 

ということです。その中で、今年は、王位、王座を奪われて1冠になった中で、

 

相性がよくなかった竜王を獲得して、永世7冠になったということは、努力を

 

将棋の神様が見ていた、ということかもしれないとも思います。羽生さんは、

 

多忙な中、深夜の激闘にも関わらず、豪雨で被災した人たちの慰問に福岡県

 

朝倉市を訪れるなど、周囲への配慮を忘れない、とも報じられています。

 

元女優のパートナーが、「号外をお願いします」と取材に答えていたことから、

 

そばで羽生さんの努力を見てこられたことが、よくわかります。現在、通算タイトル

 

99期なので、初の通算100期を、「いい状態でタイトル戦を迎えたい」と意欲的、

 

ということで、これからも楽しみです。